2002年3月
燃料溶融時における照射済燃料からのセシウム放出の増加
Journal of Nuclear Science and Technology
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- 巻
- 39
- 号
- 3
- 開始ページ
- 273
- 終了ページ
- 275
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3327/jnst.39.273
シビアアクシデント条件下における照射済燃料からの放射性物質放出挙動を調べるVEGA計画では、第3回目実験を2000年10月に行った。試験燃料は、被覆管を取り除いた燃焼度47GWd/tUのPWR燃料ペレット2個であり、大気圧,He雰囲気条件下で3,123Kまで昇温した。燃料溶融により、揮発性セシウム(Cs)の放出は促進され、最終的な放出割合は約100\%に達したが、低揮発性のRuとEuのそれはゼロであった。燃料溶融時のCsの放出率速度係数は、燃料の融点以下の測定データから求めた放出率速度係数をアレニウス式に従って外挿した場合と比較して1桁近く増加した。このことは、燃料溶融時の放出挙動のモデル化にあたっては、UO$_{2}$結晶格子を常に健全と仮定するCORSOR型モデルや結晶粒内の拡散モデルなどの従来法からの外挿とは違ったアプローチが必要であることを示している。
- ID情報
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- DOI : 10.3327/jnst.39.273
- ISSN : 0022-3131