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2016年11月

うつ病が疑われ心療内科に紹介された下垂体性副腎皮質機能低下症3例の特徴

心身医学
  • 町田 貴胤
  • ,
  • 町田 知美
  • ,
  • 佐藤 康弘
  • ,
  • 田村 太作
  • ,
  • 庄司 知隆
  • ,
  • 遠藤 由香
  • ,
  • 福土 審

56
11
開始ページ
1134
終了ページ
1139
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.15064/jjpm.56.11_1134
出版者・発行元
(一社)日本心身医学会

副腎皮質機能低下症は食欲不振、悪心・嘔吐、易疲労感など非特異的症状を呈することが多く、うつ病との鑑別が難しい。うつ病を疑われ心療内科に紹介され、下垂体性副腎皮質機能低下症と判明した3例を報告する。症例1:59歳男性:特に誘因なく悪心嘔吐が出現し体重が6ヵ月で18kg減少、抑うつ気分や倦怠感がみられた。一般血液検査、内視鏡検査、腹部CTにて異常なしとして紹介された。低血糖・低ナトリウム血症のほか、cortisol 1.03μg/dl、ACTH<5.0pg/mlと低値、ACTH単独欠損症と判明した。症例2:77歳男性:愛犬の死後に抑うつ気分や腰下肢痛が出現、一般血液検査や腰部X線で異常なく紹介された。cortisol 4.21μg/dl、ACTH5.7pg/mlと低値、脳MRIでRathke嚢胞を認め、続発性副腎皮質機能低下症と診断した。症例3:47歳男性:東日本大震災で被害を受け悪心嘔吐や倦怠感が出現、抑うつ気分がみられ一般血液検査で異常なしとして紹介された。cortisol<0.8μg/dl、ACTH<2.0pg/mlと低値、部分的下垂体機能低下症と甲状腺機能亢進症の合併と判明した。心療内科において非特異的な身体症状や抑うつ気分を呈する患者には、一般検査で異常がなくとも副腎皮質機能低下症とうつ病を早期に鑑別すべく副腎皮質機能検査が推奨される。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.15064/jjpm.56.11_1134
ID情報
  • DOI : 10.15064/jjpm.56.11_1134
  • ISSN : 0385-0307
  • 医中誌Web ID : 2017033170

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