共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

系外資源流入と栄養カスケードが促進する島嶼生態系構成種の適応進化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03307
体系的課題番号
JP19H03307
配分額
(総額)
10,660,000円
(直接経費)
8,200,000円
(間接経費)
2,460,000円

本研究の目的は、海洋からの系外資源流入が栄養カスケードを介して、捕食者の食性と被食者の捕食回避の進化、その進化が両者の個体群動態に及ぼす相互作用、さらにその背後にあって生態系の挙動に影響を及ぼす環境要因に至る、包括的な理解を深めることである。そのため、系外資源流入と栄養カスケードが生起する確率を海域別に島嶼ごとに予測し、海鳥食とハゼ食が群集構造と適応進化にもたらす影響の一般性を以下の手順で検証を試みた。
系内・系外自然の分布予測モデルについては、海洋の環境特性と島嶼の地理的条件、及び既存の分布データから、海鳥の繁殖コロニーの存在確率、遡上回遊するハゼ類の多様性、及び系内資源としての小哺乳類、トカゲ類、両棲類の分布確率を予測する統計モデルを作成する。頂点捕食者の分布予測モデル:各島嶼における頂点捕食者の種類を決める地理的・生物学的条件は何か、海洋の環境特性と島嶼の地理的条件、及び既存の分布データから、食肉性哺乳類とヘビ類を対象に各島における頂点捕食者の分布を予測する統計モデルを作成するための分布データを収集した。
系外資源流入と栄養カスケードの地理的パタンの予測については、捕食者と被食者の分布予測モデルから、系外資源流入と頂点捕食者による栄養カスケードの地理的パタンを予測する。この成果を受け、系外資源流入への適応進化の評価:系外資源流入に対応したシマヘビの食性と顎形態の適応進化が、海鳥のコロニーの種類構成と規模、島嶼河川におけるハゼ類の豊富さ、及び両生類の種多様性によって予測可能か、実際の生物相調査の結果を対比させることによって評価を試みた。最終的には、栄養カスケードに対応した捕食回避の進化は、頂点捕食者の種類相からの予測と実際に島嶼で行った個体群センサスの結果及び個体の捕獲、形態形質の測定結果を基に判定することとした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H03307
ID情報
  • 課題番号 : 19H03307
  • 体系的課題番号 : JP19H03307