2019年4月 - 2021年3月
骨格筋の恒常性維持を担う筋衛星細胞-マクロファージ間の相互作用解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
- 課題番号
- 19K20178
- 体系的課題番号
- JP19K20178
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,160,000円
- (直接経費)
- 3,200,000円
- (間接経費)
- 960,000円
- 資金種別
- 競争的資金
サルコペニアは、筋再生不全を背景として発症し、高齢者の体力を低下させる大きな要因となる。損傷を受けた筋組織では、骨格筋特異的な組織幹細胞(筋衛星細胞)を主体とした筋修復と、炎症・炎症収束とが生じており、筋再生が正常に進行するにはそれらが適切に制御されることが必須であるが、その制御機構の実態は未解明である。そこで、本研究で申請者は筋損傷後の炎症を誘導するマクロファージの機能変化と筋衛星細胞による再生過程の関連性に着目し、それら細胞間相互作用の解明を試みている。
これまでに、組織修復過程における筋衛星細胞とマクロファージとの空間的配置情報を取得するため、マクロファージ特異的な蛍光レポーターマウス(Iba1-EGFP)を対象にCUBIC法を用いた組織透明化処理を行い、共焦点レーザー顕微鏡を用いて筋組織中の3次元的な局在情報を取得した。また、カルジオトキシンの投与による筋損傷モデルを作出し、フローサイトメトリーおよび免疫化学染色を行った。これらの結果、損傷後3日目にIba1などを発現するマクロファージの数のピークが確認されるとともに、筋衛星細胞と近接しながら筋線維の再生を促していることが観察された。
そこで、損傷後3日目の筋組織中の筋衛星細胞、マクロファージおよび周囲の間葉系細胞を対象とした包括的シングルセルRNAシークエンスを実施した。得られた遺伝子発現プロファイルを元に相互作用解析を行った結果、筋衛星細胞が増殖を亢進するためにマクロファージ・間葉系細胞から受け取っているシグナル経路の候補を特定した。現在同定された候補分子の機能をin vitro評価法にて、インヒビター実験およびノックアウト実験により検証を行っている。
本研究により得られた知見は、加齢や代謝異常に起因する筋再生の破綻についての理解を深め、新たな治療標的分子の同定につながることが期待される。
これまでに、組織修復過程における筋衛星細胞とマクロファージとの空間的配置情報を取得するため、マクロファージ特異的な蛍光レポーターマウス(Iba1-EGFP)を対象にCUBIC法を用いた組織透明化処理を行い、共焦点レーザー顕微鏡を用いて筋組織中の3次元的な局在情報を取得した。また、カルジオトキシンの投与による筋損傷モデルを作出し、フローサイトメトリーおよび免疫化学染色を行った。これらの結果、損傷後3日目にIba1などを発現するマクロファージの数のピークが確認されるとともに、筋衛星細胞と近接しながら筋線維の再生を促していることが観察された。
そこで、損傷後3日目の筋組織中の筋衛星細胞、マクロファージおよび周囲の間葉系細胞を対象とした包括的シングルセルRNAシークエンスを実施した。得られた遺伝子発現プロファイルを元に相互作用解析を行った結果、筋衛星細胞が増殖を亢進するためにマクロファージ・間葉系細胞から受け取っているシグナル経路の候補を特定した。現在同定された候補分子の機能をin vitro評価法にて、インヒビター実験およびノックアウト実験により検証を行っている。
本研究により得られた知見は、加齢や代謝異常に起因する筋再生の破綻についての理解を深め、新たな治療標的分子の同定につながることが期待される。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K20178
- 体系的課題番号 : JP19K20178
この研究課題の成果一覧
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受賞
3MISC
1-
医学のあゆみ 276(5) 443-447 2021年1月 筆頭著者
講演・口頭発表等
9-
第41回日本肥満学会・第38回日本肥満症治療学会学術集会 2021年3月20日
-
第20回日本再生医療学会総会 2021年3月11日 招待有り
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Frontiers of stem cell and organoid technology (FSO2021): From Basic to Bedside. 2021年1月26日 招待有り
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第43回日本分子生物学会年会 2020年12月3日 日本分子生物学会
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第20回日本抗加齢医学会総会 2020年9月25日
-
第93回日本生化学会大会 2020年9月15日 日本生化学会
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第88回日本医科大学医学会総会 2020年9月5日 日本医科大学医学会
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第42回日本分子生物学会年会 2019年12月6日 日本分子生物学会
-
第42回日本分子生物学会年会 2019年12月4日 日本分子生物学会