共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

深層学習の手法を用いた肺癌に対する新規強度変調放射線治療計画システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K08093
体系的課題番号
JP20K08093
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

肺癌に対する根治的放射線治療において、Volumetoric Modulated Arc Therapy(VMAT)やHelical Tomotherapy(HT)は強度変調放射線治療(IMRT)の標準的な技術であるが、治療後の放射線肺臓炎(RP)が懸念される。今回、VMATあるいはHTを用いたIMRTを受けた肺癌患者において、RPと関連する要因を検討した。2018年4月~2020年12月までに60Gy/30fr/6週のIMRTを受けた肺癌52例(VMAT:31例、HT:21例)を検討した。年齢の中央値は70歳(53-85歳)、臨床病期はそれぞれⅡ期が5例、Ⅲ期が47例であり、うち11例に肺切除歴を認めた。放射線治療の開始から肺臓炎発生までの累積時間はKaplan-Meier法で算出し、放射線治療後の肺臓炎と関連する臨床的要因についてはCOX比例ハザードモデルを用いて解析を行った。観察期間中央値は14ヵ月(5~33ヵ月)、観察期間中に18例が再発、8例が死亡した。RPはGrade(G)1 : 26例、G2 : 12例、G3: 6例、G4 : 1例、G5 : 1例であった(CTCAE ver5.0)。G2以上のRPの発生は、単変量解析において計画標的体積(PTV)≧365cc、全肺のV20≧18%およびV5≧44%、Dmean≧11Gy、患側肺のV20≧36%およびV5≧61%とそれぞれ有意に関連していた(p<0.05)。しかし、多変量解析ではG2以上のRPに関連する因子は認めなかった。G3以上のRPについては、単変量解析の結果、肺切除の既往歴、全肺容積≧3150cc、全肺のV5≧44%、患側肺のV20≧36%、V5≧61%と有意に関連していた。さらに、多変量解析にて肺切除歴はG3以上のRPと有意に関連していた(p=0.048)。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K08093
ID情報
  • 課題番号 : 20K08093
  • 体系的課題番号 : JP20K08093