Apr, 2022
月経随伴症状と漢方薬
産婦人科漢方研究のあゆみ
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- Volume
- Number
- 38
- First page
- 71
- Last page
- 79
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- 産婦人科漢方研究会
【目的】月経随伴症状は月経中の頭痛や下腹部痛ばかりではない。月経前はイライラや抑うつといった精神症状が、月経中や月経後は腹痛や腰痛といった身体的症状が中心となる。本研究では、月経随伴症状の出現時期で漢方の使い分けが必要かにつき検討した。【方法】対象は、鹿児島大学漢方診療センターで経験した月経中の痛みが主訴の子宮内膜症患者35例と子宮筋腫患者7例である。月経前・月経中・月経後の3群に分け、それぞれの時期に随伴症状の特徴と有効な漢方薬の違いを検討した。【成績】月経痛の程度は40%以上重度であった。両疾患を合わせて月経随伴症状の改善率は、月経前は61.5%(8/13)、月経中は28.6%(12/42)、月経後66.7%(2/3)であった。特に子宮内膜症患者の証は多彩で方剤決定に工夫が必要だった。月経前では頭痛や肩こりイライラなどの症状が多く利水剤・清熱剤・駆お血剤の効果が高く、月経後は補剤をベースとした方剤の効果が高かった。【結論】月経中の症状は多彩な漢方薬の使い分けが必要だが、非月経時期の痛みや症状に関してはある程度パターン化した使い分けが可能かもしれない。今後、症例を重ね検討したい。(著者抄録)
- ID information
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- ISSN : 0913-865X
- Ichushi Web ID : W725020011