基本情報

所属
千葉大学 大学院 医学研究院 小児病態学 教授
学位
医学博士(2000年5月 千葉大学)

ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-8990-5265
J-GLOBAL ID
201801000657800188
researchmap会員ID
B000309621

川崎病の臨床やtranslational researchを中心に研究活動をしています。川崎病の病因を探索する遺伝研究に臨床側から協力しています。その中から治療として免疫抑制薬の可能性が示唆され、2008-現在までシクロスポリンの川崎病への適応開発をしてきました。効果と安全性を実証するランダム化比較試験の企画、実行を主導して行い、良好な結果を得ています(LANCET誌2019)。この医師主導治験の結果から遺伝研究結果の妥当性も検証できました。2020年2月にシクロスポリンの経口液剤が川崎病の追加適応を取得し、2020年改訂の川崎病急性期治療ガイドラインにこの治療が初期治療として掲載されました。遺伝研究で見いだされたITPKC遺伝子バリアントのリスクアリルを有する患者においてシクロスポリンの冠動脈瘤抑制効果がより高いプレリミナリーデータが同時に得られ、これを検証する遺伝薬理学的臨床研究を計画しています(FORKiDs trial: R5年度AMED難治性疾患研究開発事業)。近い将来、迅速遺伝子検査やサイトカイン検査などによって川崎病の初期治療選択を行う精密医療の実現をめざしています。

川崎病では血小板活性化が特徴的です。血小板は免疫機能を有していることが報告されており、活性化血小板がこの免疫機構を介して炎症細胞を血管壁に誘導し、血管炎を生じる病態仮説の検証にとりくんでいます(文科科研基盤C2019, Front Immunol誌2023)。川崎病治療の最終ゴールである冠動脈病変の抑制を目的として、血小板活性化の制御による治療研究をしています。

COVID-19パンデミックの2020年に国レベルで社会隔離が行われ、感染症が激減ました。この年に川崎病は年36%減少しました(J Peditrics誌 2021)。川崎病疫学の変化と人流や感染症疫学との関係を機械学習によって解析することで川崎病の原因の究明に取り組んでいます。

川崎病により冠動脈病変を残した患者さんの遠隔期の虚血心の内科的治療開発にも取り組んできました(2001-)。2001年にはarteriogenesis作用のあるヘパリンに運動負荷を組み合わせた血管新生治療の開発に参加しました。2004年からはペプチドであるAMD3100が虚血時に骨髄から血管内皮前駆細胞を多数動員して虚血心の回復に寄与することをマウスで示しました。

千葉県における小児救急医療の拡充と整備に注力しています(2008-)。その中で呼吸器ウイルス感染症をテーマとして臨床研究を行っています。種々のワクチンの普及により細菌感染症が減少し、ウイルス感染症の頻度が増加していますが、特に呼吸器ウイルス感染症の臨床像は今まで十分理解されていません。2008年から千葉県小児中核病院である東京女子医大八千代医療センター小児科、小児救命救急センターをフィールドに多くの小児症例を対象として臨床像の解析を行っています。 


学歴

  4

論文

  187

MISC

  205

講演・口頭発表等

  1
  • 濱田洋通
    小児電話医療相談事業(#8000)について 2021年1月29日  招待有り

共同研究・競争的資金等の研究課題

  11