共同研究・競争的資金等の研究課題

2002年 - 2003年

ポストゲノム時代におけるバイオベンチャー企業の経営戦略と組織間関係

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)
  • 久保 亮一

課題番号
14730112
配分額
(総額)
2,900,000円
(直接経費)
2,900,000円

「日本における好業績を獲得したバイオベンチャー企業(以下BV)は,いかなる特性をもつか」を問題意識として調査を行った。日本のバイオ業界は米国と比して発展段階が初期の状態にあり,既存企業内で全てのR&D活動を行うことは困難だと思われるため,今後バイオベンチャー企業が重要な役割を果たすと考えられるためである。
(1)企業が有する経営資源・能力を基にBVを分類し,好業績がいかなる組み合わせによって達成されるかを分析した。
結果として,「マーケティングとR&D能力を両方もつグループ」,「コスト・品質の管理と資金調達能力を有するグループ」が好業績を達成していることが判明した。先行研究では,新製品を生み出すR&D能力と製品をいかに販売するかというマーケティング能力の両方が重要であるとされてきた。したがって,最初のグループは先行研究と一致した結果であろう。次のグループは,製品に対するコスト・品質管理と資金調達能力が高いグループであり,同時に企業内での同僚の評価(peer reviewing)とメンバー間の頻繁なコミュニケーションを特徴としていた。不確実な成果を目指したBVが高い資金調達能力を有する時,資金面で問題なく継続的に製品開発を行うことが可能になる。
(2)企業が製品開発を行う際に必要な技術資源を,自社内のR&Dで獲得するのか,ライセンスなどによって購入するのか,もしくは提携や共同R&Dによって協力して獲得するか,というトピックを問題意識として文献調査を行った。先行研究ではこのような技術資源の獲得形態に関して3要因を提示していることを明らかにした。それは主に,企業要因(自社のR&D能力の程度、R&D経験の程度、自社内開発経緯)、技術要因(技術のLCの程度、開発コストの程度、技術の不確実性)、外部環境要因(技術の専有可能性の程度、市場規模、競争の程度)である。これらの要因を日本のコンテクストに当てはめて定量的な調査をすることを今後の課題とする。

ID情報
  • 課題番号 : 14730112