共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2022年3月

第3生体窓の光で誘起する非線形光学効果を用いた深部高空間分解能光音響イメージング

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
19K22961
体系的課題番号
JP19K22961
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

本研究の目的は、生体透過性の高い第3の生体窓の光で誘起する高次非線形な光学応答と光音響効果を利用した、生体深部の1細胞レベルイメージング技術を開発することである。長波長の光ほど、生体中における光散乱などの影響が少ないため、生体中における集光スポットのボケを抑制できる。このため、高次の非線形な光学応答と組み合わせることで、高い空間分解能で生体深部の観察が可能になる。初年度は主に、使用するパルスレーザー光源の開発と光音響波検出システムの開発に注力した。本研究では、生体透過性の高い第3の生体窓の波長帯のパルス光を得るために、高出力超短パルスファイバーレーザー光源からの出力光の波長を、フォトニック結晶ファイバー中のソリトン自己周波数シフトと呼ばれる波長シフト現象を利用して、所望の波長帯にシフトさせた。光音響波検出のためには、トランスデューサーで検出した音響波信号をサンプリング周波数1GHzの高速デジタイザーを用いて制御・解析用PCに取り込み、信号解析を行うシステムを開発した。これらの光源および光音響波計測システムの開発と並行して、光音響信号を誘起するためのプローブ分子の探索を行い、色素分子などの候補を見つけることができており、現在、評価用の試料の作製方法について検討を行っている。今後、プローブ分子を用いた光音響波信号生成の評価を行い、利用するプローブ分子の選定を完了し次第、光音響顕微鏡システムの開発に移行する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K22961
ID情報
  • 課題番号 : 19K22961
  • 体系的課題番号 : JP19K22961