共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

第2近赤外窓領域を用いた生体深部超解像イメージング技術の開発と再生医療への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04503
体系的課題番号
JP20H04503
配分額
(総額)
18,200,000円
(直接経費)
14,000,000円
(間接経費)
4,200,000円

1. 昨年度組み立てた深部超解像レーザー走査蛍光顕微鏡とNaYF4:Yb蛍光ナノ粒子を用いてイメージング実験を行った。NaYF4:Yb蛍光ナノ粒子は波長915 nmの光で励起でき、波長980 nmの蛍光を発する。この蛍光ナノ粒子をカバーガラス上に散布し、厚さ500 マイクロメートルの生体模倣材料(1 %イントラリピッド)を通して観察した。結果として、提案手法を用いることでおよそ1.5倍程度の空間分解能の向上に成功した。上記と同様の実験を、波長820 nmの光で励起でき波長900 - 950 nm付近の蛍光を発するY2O3:Nd蛍光ナノ粒子を用いて試してみたところ、空間分解能の向上を確認した。
2. 深部イメージングにおいては光散乱により励起光が深部に届きにくく、蛍光も同様に検出器に届きにくいためSN比が悪くなる。教師なしで画像のノイズ除去が可能な深層学習アルゴリズムを構築し、得られた顕微鏡画像へ応用したところ、SN比の向上を達成した。この深層学習アルゴリズムはイメージング速度の高速化や、さらに深部の領域を観察可能にする技術となる。
3. 合成したNaYF4:Yb蛍光ナノ粒子をHeLa細胞へ導入する実験を行った。細胞培養時に、培養液にNaYF4:Yb蛍光ナノ粒子を混ぜておくと、エンドサイトーシスにより蛍光ナノ粒子がHeLa細胞へとりこまれた。さらに、上記のレーザー走査蛍光顕微鏡により蛍光画像を取得したところ、細胞内に存在する蛍光ナノ粒子の分布を確認した。
4. スフェロイドの培養を行ったところ、直径200 - 400マイクロメートルほどのスフェロイドの培養に成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04503
ID情報
  • 課題番号 : 20H04503
  • 体系的課題番号 : JP20H04503

この研究課題の成果一覧

MISC

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