週1回以上の昼間尿失禁(DI)を主訴に来院した223名の児童とその保護者を対象に、日本語版PedsQLを用いてDI児童の心理・社会的QOLを調査し、その成績を一般児童999名と比較検討した。DI児童は一般児童と比較し、総合得点と心理社会的サマリー得点が本人評価、保護者代理評価ともに有意に低下していたが、性別、DI頻度とPedsQLの得点には有意差がみられなかった。学年別の検討では、小学校1年生で社会的機能が本人評価で有意に低下していた。以上より、幼少期から続くDIは小学校入学時点で心理社会的QOLに影響を及ぼしている可能性があり、QOLの観点からは小学校入学以前の5歳以降から治療を開始し、小学校入学時までにはDIが改善していることが望ましいと考えられた。