山野 弘樹
基本情報
- 所属
- 東京大学 大学院総合文化研究科 超域文化科学専攻
- 学位
-
修士(2019年3月 東京大学)
- J-GLOBAL ID
- 201901012293822917
- researchmap会員ID
- B000362971
はじめまして。山野 弘樹と申します。
東京大学で哲学の研究をしております。
1. 現代フランス哲学の研究――「物語」の哲学
私は現代フランス哲学を代表する哲学者の一人であるポール・リクール(Paul Ricœur, 1913-2005)の研究を行っております。リクール研究の中でも、とりわけ後期リクールの主著『時間と物語』(1983-85年)・『他としての自己自身』(1990年)・『記憶・歴史・忘却』(2000年)の研究に取り組んでおります。
さらに、リクール研究を通して得た知見を基にエマニュエル・レヴィナスやジャック・デリダの哲学を検討することで、今後「現代フランス哲学」全体を視野に含めた研究計画を推進する予定です。
2. リクール「物語論」の実践的応用――「教育論」および「組織論」への展開
リクールの「物語論」において特に有名なのは、〈妥当な仕方で過去の出来事を認識する〉という「歴史」の議論や、〈新たな価値や世界の可能性を創造する〉という「フィクション」の議論です。ですが、こうしたリクールの物語論は、〈そもそも人はいかにして他者と共生することができるのか〉という問題を考える上で非常に有用なものであり、「教育論」や「組織論」といった分野で応用することが可能なものです。教員(ないし保護者)が子どもに教育を行う際や、「対話」を基調とした組織文化を構築する際に、リクールの物語論は強力な指針を提供してくれるでしょう。
さらに、近年リクール哲学のエッセンスを導入することを通して、(「VUCA時代」において確かな判断を下すための)「対話的思考」の開発や、「対話の哲学」の理論化にも取り組んでおります。
3. 研究成果のアウトリーチ活動――"Philosophy for Everyone"という理念
また、私は〈わかりやすい言葉〉・〈身近なテーマ〉を用いて、哲学の意義と魅力を一般の方々に伝えていくための活動を積極的に行っております。具体的には、かつて東京大学「共生のための国際哲学研究センター」(UTCP)にて、一般の方々を対象としたシンポジウムの企画・立案を担当しておりました。さらに現在においても、出版社や一般企業の方々からご依頼を受け、哲学のオンライン講座や哲学ワークショップの企画・実施などの業務を担当しております。(2024年度には「株式会社ブレインパッド」様にて「哲学的思考力開発講座」の行使を担当させていただきました。)
今後も創意工夫に富んだアウトリーチ活動を展開しつつ、哲学の意義と魅力を、より多くの方々にお伝えしていきたいと思います。実践的な〈哲学の知〉を(ビジネスパーソンを含む)市民の方々に身につけていただくことで、社会をより善い方向に変えていくことを目標にしています。
4. アウトリーチ活動としての「VTuberの哲学」
さらに、現代文化を「哲学」の見地から分析するための研究活動として、「VTuberの哲学」と呼ばれる領域の研究にも取り組んでおります。(2024年3月には、国内初となる「VTuberの哲学」をテーマにした学術書『VTuberの哲学』が刊行されました。同年8月には、「VTuber」をテーマにした国内初の総合的学術書『VTuber学』が刊行され、その編者を務めています。)
「VTuber」とはバーチャルな姿を通してライブ配信や動画投稿等の活動を行う存在者の総称ですが、「にじさんじ」、「ホロライブプロダクション」、「ぶいすぽっ!」などの各グループに所属するライバー/タレントたち(および彼ら・彼女らから陰に陽に影響を受けつつ活動するあらゆるVTuberたち)は、今日も多様なコンテンツを供給し続けています。
隣接領域(メディア研究やアイドル研究、フィクションの哲学等)の蓄積を参照しつつ、こうした「VTuber」をめぐる哲学的問題を定式化し、「VTuber文化」における伝統と革新の諸相を分析することを目指しています。
ご連絡はこちらのメールアドレスからよろしくお願いいたします。
hiroki.yamano1021[@]gmail.com
主要な書籍等出版物
4-
岩波書店 2024年8月28日 (ISBN: 4000616536)
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春秋社 2024年3月21日 (ISBN: 4393334051)
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講談社 2022年3月16日 (ISBN: 4065277523)
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ミネルヴァ書房
主要な受賞
5-
2015年4月
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2014年4月
主要な共同研究・競争的資金等の研究課題
2-
日本哲学会 林基金若手研究者研究助成 2022年4月 - 2023年3月
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日本学術振興会 特別研究員奨励費 2019年4月 - 2022年3月
学歴
3-
2019年4月 - 現在
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2017年4月 - 2019年3月
-
2013年4月 - 2017年3月
主要な経歴
6-
2019年4月 - 現在
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2023年4月 - 2024年3月
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2023年4月 - 2023年7月
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2021年4月 - 2022年3月
-
2019年4月 - 2022年3月
-
2017年4月 - 2019年3月
主要な担当経験のある科目(授業)
2-
2023年4月 - 2024年3月
研究分野
1主要な論文
28-
『哲學』、日本哲学会 (75) 358-371 2024年3月 査読有り筆頭著者
-
『フィルカル』、株式会社ミュー 2023年8月 査読有り筆頭著者
-
『哲学の探求』、哲学若手研究者フォーラム (50) 88-99 2023年3月 筆頭著者
-
『フィルカル』、株式会社ミュー 7(2) 226-263 2022年8月 査読有り筆頭著者
-
『哲學』、日本哲学会 (73) 375-390 2022年3月 査読有り筆頭著者
-
『現代思想 特集:大森荘蔵――生誕一〇〇年』、青土社 49 164-174 2021年12月 招待有り筆頭著者
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『フランス哲学・思想研究』、日仏哲学会 (26) 2021年 査読有り筆頭著者
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『実存思想論集』、実存思想協会 (36) 133-149 2021年 査読有り筆頭著者
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『哲学の門: 大学院生研究論集』、日本哲学会 (3) 153-165 2021年 査読有り筆頭著者
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『日本フランス語フランス文学会関東支部論集』、日本フランス語フランス文学会関東支部 (29) 69-81 2020年 査読有り筆頭著者
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Tetsugaku: International Journal, The Philosophical Association Of Japan (4) 41-55 2020年 査読有り筆頭著者
-
『哲學』、日本哲学会 (71) 243-253 2020年 査読有り筆頭著者
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『哲学の門: 大学院生研究論集』、日本哲学会 (2) 176-188 2020年 査読有り筆頭著者
-
『フランス哲学・思想研究』、日仏哲学会 (24) 215-226 2019年 査読有り筆頭著者
-
『哲学の門: 大学院生研究論集』、日本哲学会 (1) 40-53 2019年 査読有り筆頭著者
主要なMISC
9-
FASHION TECH NEWS 2022年8月22日 招待有り筆頭著者
-
『VTuberスタイル 8月号』 2022年7月28日 招待有り筆頭著者
-
講談社現代新書 2022年3月27日 招待有り筆頭著者
-
講談社現代新書 2022年3月20日 招待有り筆頭著者
-
講談社現代新書 2022年3月16日 招待有り筆頭著者
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『群像』、講談社 76(9) 396-400 2021年8月 招待有り筆頭著者
-
講談社現代新書 2021年5月3日 招待有り筆頭著者
主要な学術貢献活動
13-
企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2021年8月29日
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企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2021年4月24日
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企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等立命館大学間文化現象学研究センター / 東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2021年3月27日
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企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2021年2月6日
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企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2020年11月22日
-
企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2020年10月18日
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企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2020年8月29日
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企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等東京大学 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) (オンライン開催(Zoom)) 2020年5月30日
主要な講演・口頭発表等
29-
デジタルハリウッド大学 2023年6月22日 招待有り
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哲学若手研究者フォーラム 2022年7月23日
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実存思想協会2021年大会、オンライン開催(Zoom) 2021年6月19日
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日仏哲学会春季・秋季合同大会(Zoom開催) 2020年9月13日
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The 16th Ohsawa Colloquium, The University of Tokyo, Komaba Campus 2019年8月2日
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20th Century East Asian Philosophies Conference, Université libre de Bruxelles 2019年5月6日 招待有り
-
The 4th European Network of Japanese Philosophy, Universität Hildesheim 2018年9月5日
委員歴
1-
2017年4月 - 2018年3月
主要なメディア報道
7-
朝日新聞 2024年7月10日
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朝日新聞社 朝日新聞 文化面 2022年9月27日 新聞・雑誌
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教育新聞社 教育新聞 2022年9月26日 新聞・雑誌
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日本経済新聞社 日本経済新聞 2022年4月1日 新聞・雑誌
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中日新聞社 中日新聞 2022年3月25日 新聞・雑誌
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日本経済新聞社 日本経済新聞 2022年3月25日 新聞・雑誌
-
日本経済新聞社 日本経済新聞 2022年3月18日 新聞・雑誌
所属学協会
5-
2020年 - 現在
-
2019年11月 - 現在
-
2018年12月 - 現在
-
2018年8月 - 現在
-
2018年4月 - 現在
主要な社会貢献活動
19