2021年5月3日
哲学者が考える「独学」を効果的に実践するためのメタ方法論
講談社現代新書
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)
- 出版者・発行元
- 講談社
「確実な答えがない」と言われる時代の中で、いかにして自ら思考する力を身につけられるのか。
――こうした問いに引き寄せられるかのように、いま「独学」についての本が非常によく売れています。
学校教育だけでは学ぶことのできない知性を、多くの人たちが欲しているのかもしれません。
ある種の「独学ブーム」の到来なのでしょう。
ですが、「確実な答えがない」と言われる時代の中で、人々はなおも「確実な一つの答え」を欲し続けているように思えてなりません。
例えば、「この本を読めば賢くなります」といった類の本がよく出版され、人々によく読まれています。それは、「最短で頭を良くするための勉強法の答え」を人々が欲しているからです。
また、SNSの中では、世界の状況を極端に単純化して捉えるようなデマや陰謀論が幅広く支持されています。それは、「この世界の真実を教えてくれる答え」を人々が追い求めているからこそ起こっている状況です。
「確実な一つの答えを知りたい」という欲望が、人々の心を突き動かしています。しかも、「自分だけが確実な答えを知っている」という風に思えることは気持ちのいいことですから、そうした欲望を満たしてくれそうな話を人々は好んで聞きます。
「独学」とは、文字通り「独りで学ぶ(自分の頭で学び、考える)」ということです。答えのない時代であるからこそ、独学の方法論を学ぶことには大きな意義があることでしょう。
ですが、「独りで学ぶ」からこそ、人々はある知識を無批判に受け入れてしまったり、ある知識を過剰に否定してしまったりするということがありえます。
確実な答えを追い求めてしまう欲望の時代の中で、「独学」とは言わば「諸刃の剣」なのです。
それは、使い方を誤ると独断的な思考法を生み出すことに繋がりかねません。
こうした状況を受けて、本記事においては、哲学研究のプロセスの中で培ってきた「メタ」的な観点から「独学」の方法についての解説を行いたいと思います。
――こうした問いに引き寄せられるかのように、いま「独学」についての本が非常によく売れています。
学校教育だけでは学ぶことのできない知性を、多くの人たちが欲しているのかもしれません。
ある種の「独学ブーム」の到来なのでしょう。
ですが、「確実な答えがない」と言われる時代の中で、人々はなおも「確実な一つの答え」を欲し続けているように思えてなりません。
例えば、「この本を読めば賢くなります」といった類の本がよく出版され、人々によく読まれています。それは、「最短で頭を良くするための勉強法の答え」を人々が欲しているからです。
また、SNSの中では、世界の状況を極端に単純化して捉えるようなデマや陰謀論が幅広く支持されています。それは、「この世界の真実を教えてくれる答え」を人々が追い求めているからこそ起こっている状況です。
「確実な一つの答えを知りたい」という欲望が、人々の心を突き動かしています。しかも、「自分だけが確実な答えを知っている」という風に思えることは気持ちのいいことですから、そうした欲望を満たしてくれそうな話を人々は好んで聞きます。
「独学」とは、文字通り「独りで学ぶ(自分の頭で学び、考える)」ということです。答えのない時代であるからこそ、独学の方法論を学ぶことには大きな意義があることでしょう。
ですが、「独りで学ぶ」からこそ、人々はある知識を無批判に受け入れてしまったり、ある知識を過剰に否定してしまったりするということがありえます。
確実な答えを追い求めてしまう欲望の時代の中で、「独学」とは言わば「諸刃の剣」なのです。
それは、使い方を誤ると独断的な思考法を生み出すことに繋がりかねません。
こうした状況を受けて、本記事においては、哲学研究のプロセスの中で培ってきた「メタ」的な観点から「独学」の方法についての解説を行いたいと思います。