2019年4月 - 2023年3月
放射線う蝕の治療法の確立に向けたセルフエッチング接着システムの基礎的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
頭頸部癌に対する放射線治療の晩期障害のひとつに、放射線う蝕が挙げられる。フッ化物塗布によるう蝕予防効果には限界があり、放射線う蝕は一度発症すると急速かつ多発的に進行する。そのため、応急的にう蝕進行抑制剤を塗布し、日を改めて接着システムを使用したコンポジットレジン修復を行うことが多い。しかし、う蝕進行抑制剤は、被着面である象牙質表面のコラーゲンを凝固させるため、接着システムのプライマーが充分に浸透しない可能性がある。その上、接着システムの研究は、通常、口腔内が湿潤であることを前提として検証される。しかし、われわれが行った疫学調査で、頭頸部癌放射線治療後の唾液は、正常値の約1/3の量で泡状、粘性であった。そこで、口腔内環境に適応した基礎研究が必要と考えた。
本研究の計画では、①う蝕進行抑制剤塗布後の象牙質における脱灰抑制効果の検証、②異なる保管環境における接着試料体の接着性の検討、③研究Ⅱの接着性の向上に関する研究、の大きく3つの骨子で成り立っている。
2019~2020年にかけて、①う蝕進行抑制剤塗布後の象牙質における脱灰抑制効果の検証を行う計画を立てていた。現在までに、亜鉛含有/非含有象牙質知覚過敏抑制剤による象牙質の脱灰抑制効果を、波長走査型光干渉断層計(SS-OCT)を用いて検証した。その結果、亜鉛含有の材料は、象牙質表面よりやや深い位置で脱灰抑制効果を発揮し、亜鉛非含有の材料は、象牙質表面で脱灰抑制効果を発揮する可能性が示された。また、市販の象牙質知覚過敏抑制剤に、4段階に濃度を変えた塩化ストロンチウムを配合したものを試作し、象牙質の脱灰抑制効果を検討している。
本研究の計画では、①う蝕進行抑制剤塗布後の象牙質における脱灰抑制効果の検証、②異なる保管環境における接着試料体の接着性の検討、③研究Ⅱの接着性の向上に関する研究、の大きく3つの骨子で成り立っている。
2019~2020年にかけて、①う蝕進行抑制剤塗布後の象牙質における脱灰抑制効果の検証を行う計画を立てていた。現在までに、亜鉛含有/非含有象牙質知覚過敏抑制剤による象牙質の脱灰抑制効果を、波長走査型光干渉断層計(SS-OCT)を用いて検証した。その結果、亜鉛含有の材料は、象牙質表面よりやや深い位置で脱灰抑制効果を発揮し、亜鉛非含有の材料は、象牙質表面で脱灰抑制効果を発揮する可能性が示された。また、市販の象牙質知覚過敏抑制剤に、4段階に濃度を変えた塩化ストロンチウムを配合したものを試作し、象牙質の脱灰抑制効果を検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10149
- 体系的課題番号 : JP19K10149
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
3-
日本がん口腔支持療法学会 第7回学術大会 2021年12月4日
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第45回日本頭頸部癌学会 2021年6月17日
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日本がん口腔支持療法学会 第6回学術大会 光永幸代