共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

末梢感覚神経レベルでの疼痛緩和システムの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H03933
体系的課題番号
JP17H03933
配分額
(総額)
16,510,000円
(直接経費)
12,700,000円
(間接経費)
3,810,000円

【侵害受容神経線維に発現しているα2受容体サブタイプの同定】
酵素処理により単離した体性感覚ニューロンのTRPV1活性がノルアドレナリンやクロニジン(α2受容体アゴニスト)により抑制されること、皮下に投与したクロニジンがカプサイシンにより誘発された疼痛行動を片側性に抑制することから、一次感覚神経繊維の末梢端に発現しているα2受容体が活性化されると、TRPV1活性に依存した痛みが和らぐことが示唆された。そこで、背根神経節より分離したmRNAから調製したcDNAをテンプレートにしてリアルタイムPCR法により、α2A、α2B、α2Cのいずれのサブタイプの受容体mRNAが優勢に発現しているかを検討した。GAPDHのCt値に対するΔCt値はそれぞれ10(α2A)、12(α2B)、6(α2C)であり、最も優勢なサブタイプはα2Cであり、それにα2Aが続くことが明らかになった。
リアルタイムPCRで得られた知見を元に、α2C受容体とα2A受容体の抗体と、TRPV1に対する抗体を用いて、背根神経節の連続切片を免疫染色した。α2C受容体とTRPV1の免疫原性、α2A受容体とTRPV1の免疫原性が同一細胞から検出され、TRPV1を発現している一次感覚ニューロンにα2A受容体、α2C受容体が発現していることが明らかとなった。
これらの成績から、一次感覚ニューロンに発現しているα2C受容体またはα2A受容体の活性化を介してTRPV1活性が抑制され、疼痛抑制が生じる可能性が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H03933
ID情報
  • 課題番号 : 17H03933
  • 体系的課題番号 : JP17H03933