講演・口頭発表等

国際会議

放射線汚染を検出するためのアルファ線検出器の開発

15th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-15)
  • 森下 祐樹
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  • 井崎 賢二
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  • 金子 純一*
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  • 樋口 幹雄*
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  • 田村 健
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  • 宇佐美 博士
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  • 菊地 弘幸*
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  • 宇津木 弥*
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  • 高平 史郎*
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  • 鳥居 建男

開催年月日
2021年1月
記述言語
英語
会議種別
国・地域
朝鮮民主主義人民共和国

プルトニウム同位体などの$\alpha$線放出核種は、作業員が吸い込むと非常に有害であるため、原子力施設内の$\alpha$汚染を瞬時に検出することが求められている。我々は、$\alpha$汚染を正確かつ瞬時に検出するための検出器として、$\alpha$線イメージング検出器と$\alpha$ダストモニタを開発した。$\alpha$線検出器には、プルトニウムなどの核物質とラドン子孫核種を弁別するために、エネルギー分解能と空間分解能の高い検出器が要求される。本研究では、セリウムをドープしたGd$_{3}$(Ga,Al)$_{5}$O$_{12}$(Ce:GAGG)シンチレータとシリコン光電子増倍管(SiPM)を用いて、$\alpha$線イメージング検出器を開発した。薄いGAGGシンチレータはライトガイドに光学的に結合され、シリコン光電子増倍管は検出器の作製に用いられた。検出器は、5.5MeVのアルファ粒子に対して良好なエネルギー分解能を示した(半値幅(FWHM)で13\%)。この検出器は、2次元の$\alpha$線画像を取得することができる。また、この検出器はコンパクトなサイズであるため、狭い空間でも$\alpha$汚染の測定が可能であるという利点がある。今回、開発した検出器を用いて、福島第一原子力発電所から得られたスミヤ試料の実測を行った。また、一部の原子力施設で稼働しているシリコン表面障壁型半導体検出器(SSBD)を用いた市販の$\alpha$線用ダストモニタでは、湿度などの環境条件により誤報が頻発していた。そこで、セリウム添加Gd$_{2}$Si$_{2}$O$_{7}$(GPS)シンチレータプレートと光電子増倍管(PMT)を用いたアルファダストモニターを開発した。5.5MeVの$\alpha$線に対するエネルギー分解能は12\%FWHMであった。ラドン子孫核種の計数率は、エネルギー識別を適用することで77\%減少した。このダストモニタは、GPSシンチレータ表面が濡れても$\alpha$線スペクトル測定を行うことができた。この$\alpha$ダストモニタは、温度や湿度の管理ができない環境での使用に適している。IRPA15会議での発表では、これらの$\alpha$検出器の開発と測定結果を発表する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5070674