講演・口頭発表等

原子力機構専用ビームライン(BL22XU, BL23SU)の現状

SPring-8シンポジウム2020
  • 西畑 保雄
  • ,
  • 塩飽 秀啓
  • ,
  • 藤森 伸一
  • ,
  • 岡根 哲夫
  • ,
  • 矢板 毅

開催年月日
2020年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
online
国・地域
日本

原子力機構は、原子力の基礎基盤研究と先端原子力科学研究並びに人材育成のため、SPring-8の放射光を活用した研究を推進している。放射光エネルギー材料研究ディビジョンの研究を(1)アクチノイド基礎科学、(2)環境・エネルギー材料科学、(3)福島事故回復に資する研究(廃炉研究を含む)の3本柱に集約し、RI実験棟及び2本のビームライン(BL22XU, BL23SU)の運用により展開している。特に、福島環境回復に資する高度分析技術の開発と集約化に取り組んでいるところである。福島第一原子力発電所(1F)からの燃料デブリの分析に備え、許認可取得の準備を進めており、最終的には、幅広い放射性物質を取扱うことができる放射光施設として、原子力基礎研究のCOEになることを目指している。2016年の原子力機構と量子科学技術研究開発機構の分離以来、BL11XU, BL14B1に分散している装置をRI実験棟に集約し、RI実験棟の強みを生かした研究体制を強化してきた。ビームラインに設置されている装置は、文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業にも供されており、2019年の外部利用率はBL22XUで24-30\%、BL23SUで27-35\%であった(JAEAとQST担当分を含む)。2020年は新型コロナウィルスの影響により、多くの外部ユーザーのビームタイムが秋以降にシフトしている。2019年は特に、BL22XUの実験ハッチ3については、大幅なレイアウト変更を行った。マイクロビーム利用のためのKBミラーを導入し、硬X線光電子分光装置(HAXPES)及びBL11XUより搬入したXAFS装置を常設とした。応力測定装置はそのまま残留させ、BL14B1より$\kappa$型多軸回折計を移設した。一方、BL23SUには、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を設置し、現在も調整作業中である。これらの装置群により、総合的にRI実験棟のイメージング技術の高度化を実現する。また、BL23SUの表面科学実験ステーションでは、機器配線と制御機器の改修・更新による安全対策の向上と業務効率化を実現した。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5069661