2019年4月 - 2022年3月
双生児研究法を用いたフレイルにおける遺伝・環境要因の解明および予防法の開発
日本学術振興会 日本学術振興会: 科研費(基盤C) 基盤研究(C)
フレイルのメカニズムの解明・予防法の開発は,わが国だけではなく世界的に喫緊の課題である.介入について一定の効果は示されつつあるが,そのメカニズムが十分に明らかになっていない.海外ではフレイルは遺伝要因の影響が少なくないことが知られている.しかし,わが国のフレイルの有症率は高いにもかかわらず,遺伝率の推計は存在しない.双生児研究法を用いて,日本人としての遺伝的な要因があるのか,また,環境要因および遺伝と環境の相互作用を明らかにすることで,より効果的かつ,個別の対策を検討することができると考えられる.
2019年度までの調査で得られた身体機能データでは,フレイルに該当する被検者が少なく,2020年度は,フレイルのメカニズム解明のため,さらなる分析と調査,国際比較研究を予定していた.しかし,新型コロナウィルス感染症の影響により,検診プロジェクトは中止となり,国際比較研究についても,種々のデータの共有は対面式で行う必要があることからも休止せざるを得ない状況となった.
その中でも,2019年度までに蓄積された身体組成データの中で,細胞の生理的機能レベルを反映し,特に,がんや糖尿病などの慢性疾患患者における栄養状態,重症度,生命予後やサルコペニアやフレイルとも関連性が認められるPhase Angleという指標について,初めて遺伝率を推計することができた.その結果,遺伝率は51%であり,身長,体重,BMIと比べ低く,環境要因が占める割合が高く,また,サルコペニアの診断基準で筋量の指標として用いられるSMIと共通する環境要因を有することが明らかとし,ヘルシンキ大学のKarri Silventoinen氏の助言を受け,論文発表につなげることができた.
また,昨年度送付した調査票で返送がなかった方へ再度郵送し,その回収を終え,現在はデータクリーニングおよび解析を進めている.
2019年度までの調査で得られた身体機能データでは,フレイルに該当する被検者が少なく,2020年度は,フレイルのメカニズム解明のため,さらなる分析と調査,国際比較研究を予定していた.しかし,新型コロナウィルス感染症の影響により,検診プロジェクトは中止となり,国際比較研究についても,種々のデータの共有は対面式で行う必要があることからも休止せざるを得ない状況となった.
その中でも,2019年度までに蓄積された身体組成データの中で,細胞の生理的機能レベルを反映し,特に,がんや糖尿病などの慢性疾患患者における栄養状態,重症度,生命予後やサルコペニアやフレイルとも関連性が認められるPhase Angleという指標について,初めて遺伝率を推計することができた.その結果,遺伝率は51%であり,身長,体重,BMIと比べ低く,環境要因が占める割合が高く,また,サルコペニアの診断基準で筋量の指標として用いられるSMIと共通する環境要因を有することが明らかとし,ヘルシンキ大学のKarri Silventoinen氏の助言を受け,論文発表につなげることができた.
また,昨年度送付した調査票で返送がなかった方へ再度郵送し,その回収を終え,現在はデータクリーニングおよび解析を進めている.
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10673
- 体系的課題番号 : JP19K10673
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
1-
13th International Conference on Frailty & Sarcopenia Research (ICFSR2023) 2023年3月23日