2010年12月
Winding Propagation on ac Actin Filament in an in vitro Motility Assay System
日本コンピュータ化学会学会誌
- 巻
- 9
- 号
- 1
- 開始ページ
- 127
- 終了ページ
- 133
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2477/jccj.H2136
- 出版者・発行元
- Society of Computer Chemistry, Japan
アクトミオシンの滑り運動再構成系は, 生物の自律性や創発を議論する上で重要な階層性を分子レベルで観測し得る有効な実験系である. ここで観られるアクチン繊維の滑り運動の観察像から, 画像解析によってアクチン繊維の尤もらしい骨格抽出を行い, 繊維全体の運動と屈曲の様子を解析した. その結果, 滑り運動が速くなるにつれて繊維全体で屈曲が少なくなり小さな屈曲が伝播してパターンを形成し, 更に繊維の端に屈曲が到達すると屈曲波の消失, 反射, またはいくつかの波が融合するといった複雑なパターン変化を示した. これらはアクチン分子が最近接の相互作用のみならず, 階層性による高次の階層間で相互作用しながら繊維全体を統合する情報処理を行っている可能性を示唆する.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2477/jccj.H2136
- ISSN : 1347-1767
- eISSN : 1347-3824
- CiNii Articles ID : 10028165055
- CiNii Books ID : AA11657986
- CiNii Research ID : 1390282680157514496