2014年10月
円筒形$^{241}$Am-Be密封線源からの非等方的な中性子放出低減の試み
Radiation Protection Dosimetry
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- 巻
- 161
- 号
- 1-4
- 開始ページ
- 166
- 終了ページ
- 170
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1093/rpd/nct270
原子力科学研究所放射線標準施設棟において、X3型SUS製密封$^{241}$Am-Be線源を用いて中性子校正場を構築・運用している。中性子校正場構築上、校正点での中性子フルエンスは正確に決定される必要がある。フルエンスを精度よく決定するために、中性子が非等方的に放出される割合を実験的に決定することが国際規格で求められている。現在運用中の中性子校正場にかかわる非等方係数F$_{I}$(90)は、1.054$\pm$0.004であるが、線源からの非等方性は1.0に近い方が、距離の逆2乗則に従った中性子フルエンスの推定が容易となる。本報告では、$^{241}$Am-Be線源を用い、外側にかぶせる保護ケースの材質及び形状について検討し、線源からの中性子放出の非等方性が低減可能か試みた。計算シミュレーションにより、$^{241}$Am-Be線源の外側にかぶせる保護ケースには、Al製球形保護ケースが適切であることを見いだした。Al製球形保護ケースを試作して実際に測定し、非等方係数F$_{I}$(90)は、1.006$\pm$0.003と決定され、中性子放出の非等方性を低減できることを示した。また、外側にかぶせる保護ケースのサイズ及び材質によって、中性子スペクトルに大きな変化が見られないことは、計算で確認できた。
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- ID情報
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- DOI : 10.1093/rpd/nct270
- ISSN : 0144-8420