講演・口頭発表等

(2)高速炉MOX燃料挙動のシミュレーション解析技術開発(レビュー)

日本原子力学会2023年春の年会
  • 加藤 正人

開催年月日
2023年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京
国・地域
日本

高速炉の実用炉用の燃料として、廃棄物減容・有害度低減を目的としたマイナーアクチニド(MA)含有MOX燃料の開発が進められてきた。MA含有MOX燃料の照射試験は、常陽において2006年に高線出力照射試験が実施された。当時は、基礎物性や、照射挙動へ及ぼすAmなどMA含有の影響がわからず、燃料設計において大きな安全裕度を見込んでキャプセル照射が行われた。新しい組成の燃料開発において、照射中の性能や安全性を評価するためには、熱伝導率をはじめとする基礎物性が不可欠であり、照射挙動への影響も評価する必要がある。しかし、MAやPuを含む酸化物の基礎物性測定は、原料の確保、設備、規制上の問題など解決することが多く、容易ではない。開発当初からおよそ20年が経ち、MA含有MOXの融点、熱伝導率などの基礎物性や、照射挙動へ及ぼすAm及びNpの影響が明らかとなってきた。その結果、Amの影響は、当初、推定していたほど大きくなく、融点及び熱伝導率低下は限定的であることが分かった。現在、革新炉の燃料として様々な仕様が提案されている。それらの燃料開発のために、基礎物性及び照射挙動を事前に評価し、安全性を評価する技術が求められている。本報告では、高速炉燃料の照射挙動評価と計算科学によるシミュレーションの関係について説明し、将来の研究開発について議論する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5077187