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2016年12月

【腹膜播種に対する治療戦略】 胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法

癌と化学療法
  • 山口 博紀
  • ,
  • 石神 浩徳
  • ,
  • 北山 丈二

43
13
開始ページ
2481
終了ページ
2485
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)癌と化学療法社

胃癌腹膜播種は難治性の病態であり、未だ標準的治療が定まっていない。パクリタキセルは、腹腔内投与後は腹腔内に長時間停留し、腹膜播種病変に直接浸透することにより抗腫瘍効果を発揮する。S-1+パクリタキセル経静脈投与・腹腔内投与併用療法の胃癌腹膜播種における第I相臨床試験において、腹腔内に投与するパクリタキセルの推奨投与量を20mg/m2と決定した。腹腔洗浄細胞診陽性を含む胃癌腹膜播種症例を対象とした第II相臨床試験では1年生存率78%、生存期間中央値(MST)23.6ヵ月の成績を得、また肉眼的播種陽性症例を対象とした第II相臨床試験では1年生存率77%、MST17.1ヵ月の成績を得た。S-1+シスプラチン併用療法と比較する第III相臨床試験(PHOENIX-GC試験)の解析が終了したところである。一方、ドセタキセルを用いた胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法においても良好な結果が報告されている。胃癌以外にも、近年は膵癌腹膜播種においてS-1+パクリタキセル経静脈投与・腹腔内投与併用療法の臨床試験が進められている。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0385-0684
  • 医中誌Web ID : 2017086019

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