水銀ターゲット容器溶接部に対する非破壊検査技術
2017年度量子ビームサイエンスフェスタ; 第9回MLFシンポジウム/第35回PFシンポジウム
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- 開催年月日
- 2018年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 水戸
- 国・地域
- 日本
J-PARCの核破砕中性子源の水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重壁構造を持つ保護容器からなる薄肉(最小3mm)の三重容器構造で、TIG溶接により組み立てられる複雑な構造を持つ。新たな構造の容器に対して構造解析より評価した許容欠陥寸法は、応力が最も高い部分では0.4mmであるので、欠陥の寸法を正確に測定することが重要である。放射線透過試験で溶接欠陥を持つ三重構造の試験体を検査した場合、0.4mmの欠陥を検出できなかった。一方、溶接で歪んだ表面の影響を受けにくい非接触の水浸超音波探傷試験では、高周波のセンサを使用することによって、0.2mmまでの欠陥を検出できることが分かった。製作した容器の全ての溶接線(合計約17m)を検査した結果、検出された欠陥は6個のみで、その大きさは構造強度に影響を与えない微小なものであることを確認した。非破壊検査の計測精度を高める本研究開発によって、ターゲット容器の信頼性が向上した。