共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

新規ワクチンアジュバント探索を志向したTLR4の細胞内動態解析システムの構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
21H02080
体系的課題番号
JP21H02080
配分額
(総額)
16,900,000円
(直接経費)
13,000,000円
(間接経費)
3,900,000円

本年度は、イメージングによるTLR4/MD2複合体の動態解析と、炎症作用を引き起こすMyD88 依存経路および抗ウイルス・抗腫瘍作用を引き起こすTRIF依存経路、それぞれで分泌されるサイトカインの発現プロモーターを解析するシステムを構築することで、内在化とTRIF 依存経路の活性化の関係を調査した。
具体的には、TLR4 と複合体を形成している MD-2 に対して蛍光標識をすることで TLR4 高発現株であるHEK-Blue hTLR4細胞におけるTLR4 の挙動を観察し、リガンドで刺激した際の内在化量を細胞内における蛍光強度から定量して比較を行った。アゴニストである大腸菌 LPS(EcLPS)刺激時ではアンタゴニストである紅色細菌由来 LPS(RsLPS)刺激時 に比べて、内在化量が有意に多く見られたことをライブセルイメージングにより解析した。次にHEK-Blue hTLR4 細胞に対して MyD88 依存経路で活性化される転写因子 NF-κBとTRIF 依存経路で活性化される転写因子IRF3によって転写翻訳されるルシフェラーゼの遺伝子を導入し、EcLPS、RsLPSそれぞれで刺激した際の転写産物を発光量より測定した。
その結果、EcLPS 刺激においては各転写因子の活性上昇が刺激濃度依存的に見られたのに対し、RsLPS 刺激においては刺激による転写因子の活性化は見られないという、明確な差異を得ることが出来た。またこれまではヒト単球由来THP1細胞を分化させたヒトマクロファージを用いた検討を中心に行っていたが、研究計画後半に実施予定であったマウス骨髄(BM)由来細胞から分化させた樹状細胞BMDCおよびマクロファージBMDMを培養し利用できる系を本年度に構築できたので、今後はこれらの細胞を用いた上記解析も実施する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H02080
ID情報
  • 課題番号 : 21H02080
  • 体系的課題番号 : JP21H02080