2018年9月11日
緑藻Chlamydomonas reinhardtii由来D-スレオニンアルドラーゼの構造活性相関
酵素・補酵素研究会2018
- 開催年月日
- 2018年9月11日 - 2018年9月12日
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
- 主催者
- 酵素・補酵素研究会
- 開催地
- 野田,千葉
- 国・地域
- 日本
D-スレオニンアルドラーゼ(DTA)はD型のβ-ヒドロキシα-アミノ酸の分解と合成を触媒するPyridoxal 5'-phosphate(PLP)酵素である。DTAは基質のα位の立体を厳密に認識するが,β位に対する特異性は低い。従って,さまざまなβ-ヒドロキシアミノ酸の合成が可能であり,医薬品原料などの不斉合成や光学分割への応用研究がなされている。既報のDTAは細菌由来酵素のみであったが,我々は緑藻Chlamydomonas reinhardtii中に初めての真核生物由来DTA(CrDTA)を見出した。本酵素は,二価の金属イオンを要求し,エリスロ型の基質よりスレオ型基質に対してより高い親和性を示した。ホモダイマーのサブユニットはTIM barrel domainとβ-strand domainからなるfold-type IIIの構造であった。構造情報を基に作成した基質結合モデルと変異酵素の性質などから,触媒塩基がHis216であることやγ炭素が立体障害の少ない活性中心の出入口方向へ向いていること等を明らかにした。