論文

査読有り
2016年11月

社会主義時代のプレハブ集合住宅開発地における民主化後の変化と住民評価

日本都市計画学会都市計画論文集
  • 田中由乃
  • ,
  • 神吉紀世子

51
No.51-3
開始ページ
979
終了ページ
986
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.11361/journalcpij.51.979
出版者・発行元
公益社団法人 日本都市計画学会

チェコ共和国オストラヴァ市は、社会主義時代に工業都市として開発が進んだが、近年は産業の空洞化等による人口減少に直面している。本研究では、オストラヴァ市内の社会主義時代の住宅開発地の一つであるOstrava-Jih地区を対象に、アーカイブ資料分析、現地踏査、行政関係者と地区住民へのインタビュー調査を行い、多様な社会層の市民の生活の場となっている社会主義時代の住宅開発地の現状と、そこに暮らす住民の評価を明らかにした。住民インタビューの結果から、現在のOstrava-Jih地区に共通して自然の豊かさと住宅地内の商業施設や公共施設へのアクセス性の良さが評価されていたことが分かった。その一方で民主化以降の変化として、開発時期の早かった地域の高齢化、住宅所有者の変化、商業施設の開発による利便性の改善や遊具付き公園の増加、政策による住宅の高級化やそれに伴う低所得者層の転居、居住者の自主的な公共空間改善の取り組みなど局地的な差異が生じることによって、現在のOstrava-Jih地区内部の実情は複雑化していることが明らかになった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11361/journalcpij.51.979
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005432933
ID情報
  • DOI : 10.11361/journalcpij.51.979
  • CiNii Articles ID : 130005432933

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