J-PARC重イオン計画におけるリニアックラティスの設計検討
2022年度ビーム物理研究会・若手の会
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- 開催年月日
- 2023年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 和光
- 国・地域
- 日本
J-PARC加速器は2018年に設計ビーム出力1MW相当の連続運転に成功した。世界に目を向けると、設計ビーム出力を実現した加速器では、その後更なる大出力ビームの実現や加速器の複合利用等、将来に向けた加速器利用を検討・実現している施設がほとんどである。J-PARC加速器でも将来計画を考えており、その一つがJ-PARC加速器の重イオン加速である。本報告では、重イオン用前段加速器(リニアック)の設計検討状況について報告する。J-PARC重イオン計画でリニアックを設計する理由は3つある。一つは現状のJ-PARCリニアックは陽子加速専用に設計されているため、重イオンを加速できない。また、世界の重イオン加速器では、後段の加速器を新たに製作するため建設費用が掛かるのに対して、J-PARCは後段の加速器を再利用することで建設費用を抑えることができる。最後に、原子力機構ではタンデム加速器を有しており、この後継機としても重イオンリニアックが活用できる。設計には世界の重イオンリニアックを参考に、既存のタンデム加速器後段の超電導加速器を再利用できるようにラティスを見直し、例として34価ウラン238を想定して8MeV/uまで加速ができるように設計を行った。これは既存ユーザーが実験可能な核種とエネルギーである。