2018年3月
「視点シフト」といわゆる「非飽和名詞」
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス
- 巻
- 21
- 号
- 開始ページ
- 151
- 終了ページ
- 169
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
本論文ではSells (LI 18, 1987) のいわゆる「主観表現」に関わる分析に関連し、Nishigauchi (JEAL 23, 2014) による「視点投射」(POV-projections) を含む統語構造の観点からの分析を提示する。本論文の分析では下位の視点投射が上位の視点投射の位置へ主要部移動し、それによって下位の視点投射の「一致」領域が広がることによって捉えられる言語現象を示す。さらに、「理由」「原因」という従来「非飽和名詞」と呼ばれているものを含む構文の中で見られる「視点」現象を考察し、「理由」「原因」などを「関係を表す名詞」と考えることで、まったく次元の異なる分析の展望が開けることを示す。