講演・口頭発表等

水銀ターゲット容器の損傷評価と高出力化へ向けた開発

第4回J-PARC/MLFシンポジウム・茨城県ビームライン平成23年度成果報告
  • 羽賀 勝洋
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  • 直江 崇
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  • 粉川 広行
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  • 涌井 隆
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  • 木下 秀孝
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  • 二川 正敏

開催年月日
2012年10月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京
国・地域
日本

J-PARCの水銀ターゲット容器では、大強度のパルス陽子ビーム入射に伴い水銀中で発生する圧力波で誘起される容器壁面のキャビテーション損傷が、容器寿命を左右する重要な要因となる。水銀ターゲット容器初号機から試験片を切り出し、表面観察及び損傷計測を行った結果、最大損傷深さは事前予測値600$\mu$mに対して実測値250$\mu$mであった。また、損傷が特定の箇所に顕著に観察されるなど、評価手法の最適化や損傷発生のメカニズムを解明するうえで重要なデータが得られた。これまで行ったビームスタディでは、レーザードップラー振動計により、陽子ビーム条件の違いに応じた振動の変化を捉えられることを確認し、計測手法の有効性を確認した。また、さらなる高出力化に向けたターゲット容器の改良設計を行っている。ビーム窓部に設けた二重壁構造で、狭隘流路部の速い水銀流れにより、キャビテーション気泡の攻撃性が弱められると考えられるが、最近の研究で二重壁構造自体がキャビテーション気泡の成長を抑制する効果があることがわかった。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5038396