2003年3月
小児病棟における看護者の困難場面への対処に関する検討
看護学統合研究
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- 巻
- 4
- 号
- 2
- 開始ページ
- 21
- 終了ページ
- 26
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 広島文化学園大学
本研究では,日常の看護場面において看護者が困難であると認知した場面を抽出し,その対処にどのような"看護スキル"を用いたかについて調査した。その結果,看護者が認知した困難場面は,いずれも患児またはその家族,とりわけ母親とのかかわりに関するものであった。看護ケアを行うにあたって支障をきたしている対象の中心が患児自身である場合を"対患児",患児の家族である場合を"対家族"として分類したところ,それぞれ6つのサブカテゴリーに分けられた。 "対患児"では,看護ケアを拒否されることが看護者にとって困難であると認知する場面として最も多く挙げられた。"対家族"では,付き添っている母親が患時間児の病気を受容できていなかったり,患児の治療に協力的でなかったりすることが患児への看護ケアを妨げることにつながるため,困難場面として認知されていた。困難場面への対処については,その場を回避するような看護スキルは用いられず,患児や家族に対して同調したり,詳しい説明をしたり,可能な妥協点を見出したり,母親や他の看護スタッフの協力を得たりするなど,より積極的に困難場面を打開するためのスキルが選択されていることが明らかになった。相談相手としては,看護スタッフを挙げる者が多く,カンファレンスで事実を明らかにして共有し,看護スタッフ全員が同じ態度や言動で対応できるよう意思統一を図って困難場面に対処していることが示された。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1346-0692
- CiNii Articles ID : 110001004271
- CiNii Books ID : AA11499896