MISC

2009年5月

生活習慣病の臨床エビデンス 2型糖尿病における低脂肪食

Q&Aでわかる肥満と糖尿病
  • 児玉 暁
  • ,
  • 曽根 博仁

8
3
開始ページ
451
終了ページ
453
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)丹水社

2型糖尿病患者において糖・脂質比の異なる食事の代謝への影響を比較した無作為化対照試験の文献を検索し、19個の研究を抽出した。糖・脂質比が高いほうに分類された食事群における糖質の総エネルギーに占める割合は51〜73%(中央値60%)、糖・脂質比は1.7〜7.3(中央値2.4)であった。各研究の結果をまとめると、糖代謝についてはHbA1cや空腹時血糖への効果には群間差がみられなかったが、空腹時インスリンや血糖、インスリンの食後2時間値はいずれも、糖・脂質比の高い食事が低い食事と比較して有意に大きな上昇を示した。また、脂質代謝においては、総コレステロールやLDLコレステロールは群間差がなく、トリグリセリド(TG)上昇、HDLコレステロール低下が糖・脂質比の高い食事でみられた。この傾向は、比較的若年、非肥満者に対し糖・脂質比が特に高い食事介入を行った研究で顕著であった。減量を含めた介入を行った場合には、TG上昇が抑制されていた。

ID情報
  • ISSN : 1347-3891
  • 医中誌Web ID : 2009241247

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