基本情報

所属
清泉女学院短期大学 幼児教育科 専任講師 (講師)
学位
社会学修士(2008年3月 私立淑徳大学大学院)

連絡先
h.komatsuseisen-jc.ac.jp
研究者番号
40963187
J-GLOBAL ID
202201016373760190
researchmap会員ID
R000038096

静岡生まれ、大阪育ちのメキシコ研究者です。

主にメキシコ市のストリートチルドレンと呼ばれる子どもたちについて、「彼らのいる空間のもつ、社会的な意味や彼ら自身にとっての意味」「どのように生き抜いているのか」などの横断的研究と、死亡や失踪、社会復帰もあるので入れ替わりはありますが、彼ら/彼女らが生み出され、通りで生き抜いて、成人年齢に達し、その後も通りや都市下層として生きていることの意味をとらえるため、ストリートチルドレンとその後のホームレスとしての歩みを含めた縦断的な研究とを組み合わせて行ってきました。

住所不定の対象者を研究するので、実地調査では1日7㎞から25㎞くらい歩きます。通りや公園はもちろん、可能であればですが、マンホールの中から廃屋まで探し歩きます。銃や刃物の所持に加えて、薬物を利用しているので、錯乱状態の対象者の場合など、調査対象者に接近できないケースもあります。また、通りに出てくるまでに過酷な人生を歩んできて、通りでもひどい扱いを受けることもあるので、関係性を築きながらの調査となります。

必ずしも精緻なデータではありませんが、生きることが極端に困難な状況にありながらも調査に協力してくださっている彼ら/彼女らの生の声をできる限り丁寧に拾い集め、彼ら/彼女らの見ている世界や感じていることを大切にしたいと考えています。

 

母親で36歳からスケートボーダーです。

私自身、自分が誰かの親になるとは思ってもいませんでしたし、おそらく、私の周りの友人・知人・親戚のほとんどが私がひとさまの親になるなんて、びっくり!していると思います。

親になってみると、援助者として保護者に対して厳しいまなざしを向けていなかったかな~とか、子ども主体って本当に難しいなぁ・・・と、痛感する日々です。

 

ところで、子どもが2歳の時、千葉市の青葉の森公園の噴水のあたりでスケボーする金髪のお兄さんたちを指さして「あれ、やる!やりたい!」といいました。そのとき、私の頭の中には「げっ」という文字と「ま・じ・か~」という音が響いていました。どちらかというと、私はやんちゃな方々とは接することもなく育ってきましたし、運動もさして得意ではい。ましてや、これまで全く経験も接点もないスケートボード。

「ま・じ・か~」と思っている間に、娘がお兄さんたちのところに走っていきました。

近づいてくる幼児を煙たそうにしているお兄さんたちに、「すいません」と声をかけて「娘がやりたいといっているので、これは何歳くらいからできるのかと、どこで買えるのか教えてくれますか?」と声をかけました。お兄さんたちが「小学校ぐらいからじゃね?」と話し合いながら教えてくれたので、娘のスケボーへのまなざしは一端、トーンダウンしました。

月日は流れて・・・さすがに忘れているかと思って話題にもださなかったのですが、突然、小学2年生のときに、再び「やりたい」というではないですか。こうなると、年貢は納めなければなりません。

最初からスケボーは難しいと聞いたので、あきらめてくれるかなぁ?などと私の勝手な思いを半分、込めながらブレーブボードを用意しました。用意すると案外すんなり乗りこなすもので、いくつかのトリックを覚えて遊びはじめたら、もうスケボーへのあこがれは増すばかりです。

半年もたたないうちに「やっぱりスケートボードがいい!」と、中古のスケボーを買うことになりました。

その後、チックタックができるようになるまでは時間がかかったのですが、少し滑れるようになってから、どこかもっと広い場所で滑りたいとたまたま見に行った市原市の上総更科公園に行きました。そこで、雑技団のようにトリックを繰り出すおじさんたちに出会ってしまいました。知らず知らずに行った場所が、フリースタイル・スケートボードの聖地の一つだったのです。

スケートボードを教えてもらいはじめると、子どもの手を持って補助するだけではなく、教えるためにトリックの仕組みややり方を体験的に知り伝える必要性に迫られるとともに、子どもをじっと見ているのも暇だったので、結局、もう一台、スケートボードを購入して、一緒に始めることになりました。

親子でスケートボードを練習し、レイルスタンドを覚えたら喜び、キャスパーを覚えたら天才と思い、誉めそやされながら、練習を続けました。基本トリックの一部ができるようになったころ、大会があり、そこに娘が出るというので、最初はケツは守ってやらねば的な理由で一緒に出場しました。最初は親子で最下位を独占し、悔し泣く姿もあり、続けられるのかなぁと思っていたら、悔しさをばねに練習を重ね、徐々に上達していきました。

今では娘は大会で入賞できるようになり、自分の好きなインポッシブルやフリップ系のトリックを入れ込み、自分のルティンを滑って大会を楽しんでいます。

一方の私は、スケボーを始めたのはいいものの、レールフリップができるようになったころ、それでも跳ぶことがこわく、自分がスケートボードにのって飛ぶイメージがまったくつかめない。

イメージがないから、当然、できない。どんどん伸びていく子どもには置いてけぼりを食いながら、スケートボードを楽しめずに悩んでいた時期がありました。そんなとき、上総更科公園の激うまおじさんスケーターの一人から、基本のABCができなくても、突如Dから始めるウルトラCな助言をいただきました。

 

「1枚に乗れなければ、2枚で乗ればいい!」目からうろこの、ダフィー系トリックとの出会いです。

スケボーを2台使って、スキージャンプのダフィーのように、前後に足を開いてハの字に乗って滑走する。それがダフィーです。これは、1970年代からある古いトリックの一つです。オールドスクールのスケーターさんや、フリースタイルでは細々と受け継がれていますが、スケートボードの性能が上がり、オーリー系トリックの開発と発展に伴って、忘れられつつあるトリックでした。

1980年代にリン・クーパーがバックワードダフィーを大会でメイクし、2000年代に入って山本勇がピボットやフリップをコンボしていく滑走で世界を魅了しましたが、それでも2枚技は1枚ができるスケーターの技術の幅の広さを示すものとして、2枚トリックそのものへの評価は低いままでした。

最初にダフィーを目にしたとき、こんなにかわいらしく素晴らしい滑走が日の目を浴びないなんて!と、以来、2枚のスケートボードに乗る練習を重ねてきました。オリジナルのシグニチャトリックを開発しながら、大会で発表し、これまでされていないコンビネーションなどを作りながら、トリックの普及を目指しています。

一線の競技者であれば勝つことを優先せざるを得ないことから、点数がどうつくかわからないオリジナルトリックやコンビネーションはリスクが高いですが、トリックの普及を目指しながら、40歳を過ぎて女性でありながら滑ることを通して「女性」や「中高年」といった多様な滑走の在り方を伝えていくことを競技参加への第一義的な目標としたとき、できることがあると思っております。

 

大会では、子どもに負けるとやたら悔しいので、今では大人げなく、「子どもに勝!」を目標に参戦しています。

これまでの大会成績は…

・2020年のfreestyle skateboarding championship The World Round-Upで『女性部門』の6位入賞

・2021年のfreestyle skateboarding championship The World Round-Upで『女性部門』10位入賞、ナショナル・チーム・アワード1位。

・2022年フリースタイルスケートボードコンテスト in浜松 ギャラリーモールソラモ、アマチュアクラス5位。

→全日本の浜松大会でようやく、子どもに初勝利!やってやりました(笑)

・2023年のfreestyle skateboarding championship The World Round-Upで『女性部門』7位入賞、審査委員特別賞にあたる『ヘンリー・キャンディオッティ スケート4ファン賞』受賞。ナショナル・チーム・アワード2位。

 

36歳から始めて、42歳のおばちゃんにしてはまずまずの頑張りではないでしょうか。

先にも触れましたが、スケートボードは通常『横乗り』スポーツに分類されますが、私は2枚のスケートボードを使って滑る「ダフィー」系トリックをメインにしているので、『縦乗り』『2枚使い』という珍しいスタイルをとっています。

夢は、2ボードスケーターを増やして、スケボー・ショップに2枚セット販売コーナーを作ってもらうことです。それから、スケートボード環境がまだまだ整っていないなか、キッズフレンドリーな環境整備ができていくことと、まだまだアカデミックな業界同様にスケートボードの環境もホモソーシャルな面があるので、ガールズフレンドリーな環境整備が進むことです。こうした環境整備に向けて、少しずつですがスケートボード研究にも着手しています。

 競技者・遊技者であることは、その競技・遊技の特性がわかる、内的世界が身体的に理解できる、スケーターへの協力を仰ぎやすいといったメリットもあります。

現在は、スケートボードの生産から消費、廃棄まで川上から川下までの流通にかかる問題/課題、女性スケーターの参入障壁、全国のパーク環境の量的調査、子どもの遊びと大人の援助的関わり、スケートボードのトリック研究、若者の文化としてのスケートボード、療育遊びとしてのスケートボード、スケボーによる疲れと転倒予防など多角的に研究をしております。一人ではできないことがたくさんあるので・・・共同研究をしてくださる方、絶賛募集中です!

 ・・・ということで、ストリートを共通点としながら、メキシコのストリートチルドレン研究と、日本のスケートボード研究を行っております。


委員歴

  1

受賞

  2

論文

  2

MISC

  17

書籍等出版物

  4

講演・口頭発表等

  8

担当経験のある科目(授業)

  11

社会貢献活動

  1

メディア報道

  3

その他

  7