共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

核酸の非構造部位の機能的役割と分子クラウディング効果の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

資金種別
競争的資金

DNAとRNAの高次構造には二重鎖のような特定の構造を形成しない、様々なタイプの非構造部位が存在する。非構造部位は生物学的・生物工学的にとても重要であり、タンパク質における非構造部位の重要性を考慮すると、核酸の非構造部位がもつ機能的な役割に注目することには大きな意義がある。非構造部位は大きな溶媒露出面積と柔軟性のため、構造形成部位よりも分子クラウディング (molecular crowding) の影響を受けやすいと考えられる。しかし、その影響は解明されておらず、このことがDNAとRNAの四重鎖構造や高次構造に対する分子クラウディング効果の理解を困難にしてきた。本研究は新たな実験・解析手法を用いて、DNAとRNAの一本鎖状態とループ部位に対する分子クラウディング効果を解明するとともに、誘導適合 (induced fit) 機構で結合するカチオン性物質と生体化合物に与える影響を評価する。この研究によって、核酸の非構造部位の新しい役割を明らかにし、核酸研究に“intrinsically disordered nucleic acid (IDNA)”という新しい分野を開拓する。