基本情報

所属
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門 昆虫制御研究領域 昆虫植物相互作用ユニット 上級研究員
学位
博士(農学)(2002年10月 東京大学)

研究者番号
00355744
J-GLOBAL ID
201601015478135344
researchmap会員ID
B000262471

昆虫の食害に対する植物の防御機構(耐虫性)と植物の防御機構に対する昆虫の適応機構を化学生態学・生理学・分子生物学的手法を用いて研究している。植物の防御タンパク質・植物の乳液(物質)・シュウ酸カルシウム針状結晶・イリドイド配糖体などの耐虫性に果たす役割やクワとカイコの攻防関係を明らかにしてきた。クワ乳液から発見したユニークな構造と作用メカニズムを持つMLX56耐虫性タンパク質を用いて耐虫性作物の作成に成功している。さらに、最近は植物の防御が植食動物(害虫)の量(バイオマス)や植物(作物)の被害量にどのように影響するか予測するために植食動物・肉食動物のバイオマス物理単位付きの具体量として予測できる食物網の定量的数理モデルを開発して研究を行っている。このモデルを用いて肉食動物が存在し食物連鎖が機能している陸上自然生態系では必然的に植食動物の総バイオマスは非常に少なく植物の被害が少ない緑の生態系が保たれることを明らかにした。一方、モンシロチョウは定常的に大発生を繰り返しキャベツ異常に激しい被害を与える世界的なキャベツの大害虫であるが、これはモンシロチョウが毎日、体重が倍増する以上に大きな比成長率(成長速度)を持つためであることを明らかにした。植食昆虫の大きな比成長率が植食昆虫の多発、大発生、移動性の発達(新規圃場への侵入性)、種間競争力(競争排除力)の増加につながり結果として害虫化に結び付く可能性を明らかにしている。昨今の、昆虫の減少や害虫の多発が植食昆虫の比成長率(成長速度)が原因であるか、侵入害虫が在来種排除に結び付く現象が比成長率で説明できるかなどの検証を行うことを目標としている。


論文

  37

MISC

  42

共同研究・競争的資金等の研究課題

  6