2020年9月 - 2022年3月
拡散過程の特異な時間変更に付随する自己共役作用素と熱核に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
前年度はd次元ブラウン運動の時間変更過程について研究した。具体的には、時間変更過程に付随するレゾルベントの空間変数に関するヘルダー連続性を調べ、その指数の定量評価を得た。今年度は、この結果をまとめた論文を執筆するとともに学術誌への掲載を決定させた。
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レゾルベントのヘルダー連続性に関する結果を半群や熱核の場合に拡張することはできなかったが、これに深く関連する問題として、一般のマルコフ過程に対するレゾルベント強フェラー性を半群強フェラー性に拡張する研究を行った。これは、桑江一洋氏 (福岡大学)と楠岡誠一郎氏 (京都大学)との共同研究であり、昨年度から継続して行ったものである。その結果、マルコフ半群がLp空間上で解析的になる設定の下、レゾルベント強フェラー性を半群強フェラー性に拡張するための十分条件を与えることができた。拡散過程を含む広いクラスの確率過程に対しては、レゾルベントに対する局所的な超縮小性がその十分条件となる。この条件は主に解析半群の理論から導出され、時間変更過程とも相性が良いこと分かった。この結果についても論文を執筆し、学術誌への掲載を決定させた。
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非有界閉領域上の時間変更した反射壁ブラウン運動の一意拡張性についても研究を進めた。前年度は、slab領域という具体的な領域の設定において、ある変数変換が有効であることが分かった。この変数変換により、slab領域の場合の一意拡張性の問題は、strip領域上のドリフトをもつ反射壁拡散過程の一意拡張性の問題に置き換えることが出来る。今年度は、そのドリフト項の定量評価の研究を行った。
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レゾルベントのヘルダー連続性に関する結果を半群や熱核の場合に拡張することはできなかったが、これに深く関連する問題として、一般のマルコフ過程に対するレゾルベント強フェラー性を半群強フェラー性に拡張する研究を行った。これは、桑江一洋氏 (福岡大学)と楠岡誠一郎氏 (京都大学)との共同研究であり、昨年度から継続して行ったものである。その結果、マルコフ半群がLp空間上で解析的になる設定の下、レゾルベント強フェラー性を半群強フェラー性に拡張するための十分条件を与えることができた。拡散過程を含む広いクラスの確率過程に対しては、レゾルベントに対する局所的な超縮小性がその十分条件となる。この条件は主に解析半群の理論から導出され、時間変更過程とも相性が良いこと分かった。この結果についても論文を執筆し、学術誌への掲載を決定させた。
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非有界閉領域上の時間変更した反射壁ブラウン運動の一意拡張性についても研究を進めた。前年度は、slab領域という具体的な領域の設定において、ある変数変換が有効であることが分かった。この変数変換により、slab領域の場合の一意拡張性の問題は、strip領域上のドリフトをもつ反射壁拡散過程の一意拡張性の問題に置き換えることが出来る。今年度は、そのドリフト項の定量評価の研究を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K22299
- 体系的番号 : JP20K22299