2011年3月25日
強磁性体材料がプラズマ制御に及ぼす影響
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research
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- 巻
- 87
- 号
- 3
- 開始ページ
- 195
- 終了ページ
- 198
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- プラズマ・核融合学会
原型炉の炉構造材料として有力な低放射化フェライト鋼は強磁性体であるため,プラズマ生成・制御や高性能プラズマとの共存性が懸念されていた.そこで,中型トカマク装置JFT-2Mにおいて先進材料プラズマ試験(AMTEX)を実施し,強磁性体を利用したトロイダル磁場リップルの低減を実証するとともに,高性能プラズマとの整合に問題がないことを確認した.その成功を受け,トロイダル磁場リップルの低減によるプラズマの高性能化を目的として,大型トカマク装置JT-60の真空容器内にフェライト鋼を装着した.フェライト鋼が作る誤差磁場がプラズマの位置・形状を制御するために用いている電磁気センサに与える影響が懸念されていたが,誤差磁場を補正することでプラズマの位置・形状制御が問題なく行えることを実証した.このように,強磁性体材料がプラズマ制御に及ぼす影響は小さいと考えられるが,最近の研究から,ITERのテストブランケット・モジュール(TBM)中の強磁性体材料による局所磁場リップルに起因するプラズマ性能劣化が懸念されている.
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0918-7928
- CiNii Articles ID : 110008593951
- CiNii Books ID : AN10401672