講演・口頭発表等

C$_{60}$イオンのタンデム加速器透過率

日本物理学会第69回年次大会
  • 齋藤 勇一
  • ,
  • 千葉 敦也
  • ,
  • 薄井 絢
  • ,
  • 山田 圭介
  • ,
  • 鳴海 一雅

開催年月日
2014年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
平塚
国・地域
日本

タンデム加速器でクラスターイオンを加速する場合、大部分の入射負クラスターイオンは荷電変換のためのガスとの衝突で分解する。壊れずに荷電変換・加速された出射正クラスターイオン数の入射負クラスターイオン数に対する割合(加速器透過率)は、荷電変換ガスの種類と圧力に大きく依存する。そこで、種々のクラスターイオンに対する最大加速器透過率を得る目的で、加速器透過率とガス種、ガス圧の関係を調べている。今回、C$_{60}$ビームについてヘリウムを荷電変換ガスとして加速器透過率のガス圧依存性を調べた。この結果、真空度7.4$\times$10$^{-7}$Paの時に最大加速器透過率2.6\%が得られた。これは、他の炭素系クラスターイオンに比べてガス圧は低く加速器透過率は大きな値(C$_5$-C$_8$ではガス圧1.3$\times$10$^{-6}$Pa程度、最大透過率1\%以下)であった。籠状構造のC$_{60}$は鎖状構造のC$_8$などに対して投影面積は10倍程度大きいが、化学的に安定で強固な結合を持つため低いガス圧で大きな最大加速器透過率になると考えられる。講演ではC$_{60}$$^{1-}$からC$_{60}$$^{1+}$になるときの解離・生成断面積からこの結果を考察する。

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URL
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