2020年4月 - 2025年3月
転写と共役したヌクレオソーム再構築の分子メカニズムの解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
ヒトを始めとする真核生物のゲノムDNAは、クロマチンと呼ばれる高次構造をとっており、安定なクロマチン構造の存在は、ガンなどの発生を抑制するために重要である。クロマチンの最小単位は、ヌクレオソームと呼ばれるタンパク質複合体であるが、円盤状のヌクレオソームの周りにDNAが巻き付いたような構造をとっている。ゲノムDNAに書き込まれた情報が読み取られる際には、RNAポリメラーゼという酵素が働くが、円盤状の構造をとったDNAをどのように酵素が乗り越えていくのか、良く分かっていない。本研究は、特に、クロマチン構造を壊すことなく、RNAポリメラーゼが働く仕組みについて、分子レベルでの解明を目指すものである。
2021年度は、主として前年度までに調製法を確立した、転写伸張因子や、ヒストンシャペロン等を活用し、それらの存在下での転写実験、及び、クライオEM単粒子解析に取り組んだ。様々なヌクレオソームDNAを鋳型として用い、転写反応とクライオEM単粒子解析を繰り返すことにより、RNAポリメラーゼの前方でヌクレオソームが壊されていく過程や、RNAポリメラーゼの後方でヌクレオソームが再び作られる過程について、複数の分子構造を決定することができた。どうして、RNAポリメラーゼが、ヌクレオソーム構造を壊すことなく転写を行うことができるのか、というのは、長年の謎であったが、本研究により、その背景にある分子メカニズムの一端を解明できたものと考えている。
2021年度は、主として前年度までに調製法を確立した、転写伸張因子や、ヒストンシャペロン等を活用し、それらの存在下での転写実験、及び、クライオEM単粒子解析に取り組んだ。様々なヌクレオソームDNAを鋳型として用い、転写反応とクライオEM単粒子解析を繰り返すことにより、RNAポリメラーゼの前方でヌクレオソームが壊されていく過程や、RNAポリメラーゼの後方でヌクレオソームが再び作られる過程について、複数の分子構造を決定することができた。どうして、RNAポリメラーゼが、ヌクレオソーム構造を壊すことなく転写を行うことができるのか、というのは、長年の謎であったが、本研究により、その背景にある分子メカニズムの一端を解明できたものと考えている。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03201
- 体系的課題番号 : JP20H03201