講演・口頭発表等

2007年9月

Angiotensin II type 1 receptor 阻害薬の早期投与は成熟後のrenin-angiotensin系の亢進を抑制して脳微小血管傷害を防止する

第43回高血圧関連疾患モデル学会学術総会
  • 濱口 梨花
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  • 竹森 久美子
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  • 山本 和夫
  • ,
  • 伊藤 浩行

主催者
第43回高血圧関連疾患モデル学会学術総会
開催地
大阪市
幼若期のSHRSPに短期間、少量のAT1 receptor 阻害薬(ARB)を投与することにより、成熟後の高血圧性病変の発生が抑制され生存日数が著しく延長することを報告した。この機序を明らかにするために、ARB投与が全身のrenin-angiotensin 系(RAS)におよび脳微小血管傷害の発生にどのような影響をおよぼすかを検討した。生後5週の雄性SHRSPを2群に分け、生後6週より1群8例にはARB(candesartan, 1mg/kg/day) を、対照群7例にはvehicleのみを、11週まで5週間投与した。以後、血圧・体重の変動を観察すると共に生後20週において屠殺し、高血圧性脳病変の発生および酸化ストレスのマーカーとしてヒドロペルオキシド量をFRAS4 (Wismerll) を用いて測定した。さらにRAS関連分子として血中reninおよび angiotensin II濃度をradioimmunoassayで、reninおよびAT1/AT2 receptorの発現をRT-PCRにより検索した。血中および組織中のACE活性はHPLCを用いて測定した。投与終了後から20週までの血圧は投与群で幾分低値であったが、