2014年12月
不妊治療を受けるカップルへのパートナーシップ支援プログラムの開発と評価
日本助産学会誌
- 巻
- 28
- 号
- 2
- 開始ページ
- 154
- 終了ページ
- 163
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3418/jjam.28.154
- 出版者・発行元
- (一社)日本助産学会
目 的<br> 生殖補助医療を用いた治療を予定する一般不妊治療中のカップルに対して,パートナーシップ向上,QOL維持,および精神的苦悩軽減のために,少人数参加型のパートナーシップ支援プログラムを開発し,アウトカム評価とプロセス評価によるプログラム評価を行う。<br>対象と方法<br> パートナーシップ支援プログラムは先行研究を基盤に目的と構成を考案し,専門家による内容妥当性を検討する手順で開発した。関東圏において不妊治療中のカップルに対してパートナーシップ支援プログラムを実施した。一群事前事後テストデザインの準実験研究において介入前後の自己記入式質問紙調査により,パートナーシップ,QOL,精神的苦悩,関係満足度の記述統計を前後評価し,プロセス評価および自由記載の内容分析でプログラムを評価した。<br>結 果<br> 不妊治療中のカップル18組36名がプログラムに参加し,25名(男性12名,女性13名)の有効回答を得た。アウトカム評価として介入前後を比較し,対象者のうち女性群はプログラムによるパートナーシップとQOLの尺度得点が増加傾向にあり,Distress得点が有意に減少した(p=0.021)。男性群は尺度得点の有意な増加がなかった。女性のパートナーシップ尺度得点が平均値未満のサブグループでは,介入前後でパートナーシップ尺度得点が有意に増加した(p=0.028)。プロセス評価では,対象者の72%が情報獲得を認識し,90%がパートナーとのコミュニケーションの深まりを感じた。対象者の90%はレクチャーの満足度が高かった。プログラムに対して4カテゴリの評価内容が分類された。(1)〈理解の深まり〉,(2)〈安心感〉,(3)〈コミュニケーションに役立つ〉,(4)〈情報獲得〉。<br>結 論<br> パートナーシップ支援プログラムはカップルにとって情報獲得と満足度が高かった。男性への影響は少ないが,女性にはパートナーシップの向上とQOLの維持に影響し,精神的苦悩の緩和に有用であることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3418/jjam.28.154
- ISSN : 0917-6357
- 医中誌Web ID : 2015111501
- CiNii Articles ID : 130005072461