2021年7月
ガラクトース誘発亜急性老化モデルにおけるT細胞サブセット構成(Features of T-cell subset composition in a D-galactose-induced senescence mouse model)
Experimental Animals
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- 巻
- 70
- 号
- 3
- 開始ページ
- 284
- 終了ページ
- 292
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- (公社)日本実験動物学会
D-ガラクトースのマウスへの長期投与は,組織への酸化ストレスの蓄積により,正常老化に類似した変化を誘導することから,老化モデルとして広く利用されている。本研究では,本モデルのCD4+T細胞サブセット構成を中心とした免疫学的特性を解析することにより,本モデルの免疫老化研究における有用性について検討した。D-ガラクトース100mg/kg/dayを12週齢より3ヵ月間皮下投与することにより作製した老化モデルマウスでは,脾臓におけるメモリー形質を有するCD4+T細胞(CD62LlowCD44high)および各CD4+T細胞サブセット(Th1,Th2,Th17,Treg)の割合が生理食塩水を投与した対照群と比較して有意に増加する結果となった。また,濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞は外来抗原の刺激によって誘導され,抗原特異的抗体産生に重要な役割を果たすT細胞サブセットであるが,この細胞と類似した表現型(CXCR5+PD-1+)を示す細胞の自発的増加が認められた。これらのT細胞サブセットの構成変化は正常老化マウスについて実施した解析結果と類似しており,これまでに報告されている免疫老化病態を反映していることから,本老化マウスモデルが免疫老化研究において有用である可能性が示された。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1341-1357