共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年6月 - 2020年3月

「未来をつくる研究」としての外国人児童生徒教育研究‐台湾の「新南向政策」分析‐

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
17K18616
配分額
(総額)
5,980,000円
(直接経費)
4,600,000円
(間接経費)
1,380,000円

学校内外での教育支援や政策提言を行う民間非営利組織の重要性に着目し、精力的に移民支援活動を展開するジャーナリスト張正、廖雲章両氏に聞き取り調査を行った。台湾における両氏の活動については、研究協力者(翁麗芳)から詳細な情報を得た。また、関連する他の移民支援団体の活動の実地調査を行った。調査内容の検討により、張正、廖雲章両氏の活動には、移民の自己表出を重視する特徴を認めた。さらに、両氏には人権派の社会学者成露茜の影響が大きいと把握し、思想上の影響について考察した。
この両氏の活動の特徴及び成露茜の人権思想の影響については、年度末の研究会(2019.2.15 聖心女子大学 台湾から研究協力者2名参加(翁麗芳、洪福財))において公表し、意見を交換した。成露茜に止まらず、父親で近代中国のジャーナリズム界に大きな足跡を残した成舎我を視野に入れるアイディアが示唆され、それに取り組むこととなった。
同研究会においては、「十二年国民基本教育課程綱要総綱」に基づき2018年度から開始された新住民言語教育の実施状況と課題について、研究協力者から説明を受けた。教学体制や教材整備に課題はあるが、多元文化を追求する教育施策として、「新南向政策」に通じる民進党政権の価値観が反映しているとの見解に及んだ。このテーマについては、研究分担者(林初梅)が主に取り組んだ。
経済関係強化だけではなく人権や多元文化による東南アジア諸国等との関係強化という観点から「新南向政策」を論じる意義を研究協力者と確認することができた。

ID情報
  • 課題番号 : 17K18616