論文

査読有り
2016年10月

模擬PWR水環境下におけるジルカロイ-4とM5の腐食特性

Nuclear Technology
  • 柴田 晃
  • ,
  • 加藤 佳明
  • ,
  • 田口 剛俊
  • ,
  • 二川 正敏
  • ,
  • 前川 克廣*

196
1
開始ページ
89
終了ページ
99
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.13182/NT16-54

ジルコニウム合金は中性子吸収断面積が小さく耐食性がよいことから、原子炉燃料被覆管の材料として広く用いられている。加圧水型原子炉(PWR)において原子炉燃料被覆材として、スズ、鉄、クロムを含むジルコニウム合金であるジルカロイ-4が使用されてきたがベルギー等ヨーロッパの原子炉では長寿命化が期待できるZr-Nb系合金M5等のNb添加新合金への移行が段階的に進められている。本研究はPWR条件下におけるジルカロイ-4とM5腐食特性の差異を明らかにするためPWR環境を模擬した水化学条件下で水素濃度をパラメータとする腐食試験を行った。これらの条件下においてジルカロイ-4とM5の酸化皮膜観察、重量増加測定および電気化学インピーダンス測定試験を行い、その腐食特性を比較した。これらの結果からPWR環境において、M5はジルカロイ-4に比べて水素濃度による酸化皮膜成長の影響が少なく安定した皮膜を有することから炉内の局所的な水素濃度の不均一に対して影響されにくくPWRの燃料被覆材としての適性が優れていることを示した。また、電気化学インピーダンス法によりよりジルカロイ-4とM5の酸化反応に構造的な有意差が存在することを示した。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.13182/NT16-54
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5050732
ID情報
  • DOI : 10.13182/NT16-54
  • ISSN : 0029-5450

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