2022年5月
平均的日本人とコーカソイドを基準にしたICRP標準人との体格の違いに起因する2007年勧告に準拠した線量評価法における内部被ばく線量の変動
Journal of Nuclear Science and Technology
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- 巻
- 59
- 号
- 5
- 開始ページ
- 656
- 終了ページ
- 664
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1080/00223131.2021.1997663
内部被ばく線量は、評価対象の体格特性に依存することが知られている。標準的コーカソイドの体格特性に基づく人体モデルを用いて評価された国際放射線防護委員会(ICRP)の線量係数を日本人に適用するにあたっては、コーカソイドと日本人の体格特性の違いによる線量係数の変動幅について把握しておくことが重要である。本研究では、平均的成人日本人モデルに基づく既存の比吸収割合データ(SAF)に対しICRP 2007年勧告に完全に準拠した最新の線量評価手法に合致するよう追加計算を伴う修正を行うとともに、平均的な日本人体格特性を反映した実効線量係数を評価し、ICRPの線量係数と比較した。その結果、8割程度の摂取条件については差違が$\pm$10\%以内となった。ただし、一部の摂取条件では、臓器質量の違いや胸腔周辺の皮下脂肪量の違いにより、$\pm$40\%程度変動することが確認された。本研究により得られた知見は、ICRPの線量係数を異なる体格特性を持つ集団に適用する際に有用である。なお、本研究で整備した日本人SAFの電子ファイルは付録として公開される。
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- DOI : 10.1080/00223131.2021.1997663
- ISSN : 0022-3131