2020年4月 - 2021年3月
腫瘍崩壊症候群リスクの個別化における『尿酸トランスポーター遺伝子解析』の有用性
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究
腫瘍崩壊症候群(TLS)は、抗がん剤治療によるがん細胞の崩壊によって細胞内物質が大量放出され、血中の尿酸などが上昇し急性腎障害を来す有害事象である。体内の尿酸量は尿酸トランスポーター(UAT)を介した排泄/再吸収により制御されるが、その能力には遺伝的個人差のあることが知られている。本研究は尿酸上昇を伴うTLS発症と、UATの機能が低下する遺伝子変異との関連を検討した。TLS発症 10例および非発症 38例の保存検体からDNAを抽出し解析した結果、UAT遺伝子の変異によって尿酸排泄能の低下した患者であってもTLS発症リスクあるいは抗がん剤治療中の尿酸値上昇リスクは上昇しないことが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H01020
- 体系的課題番号 : JP20H01020