共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

二分脊椎異常回路の二光子顕微鏡による立体的解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 松田 正司
  • ,
  • カーン モハメドシャキル

課題番号
18K08945
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

二分脊椎症は出産1,000に対し約1例の頻度で発生し、嚢胞性二分脊椎症では脊髄内にも傷害がおよび、運動、排尿障害、下肢の変形等が起こる整形外科、脳神経外科、小児科等の領域で重要な疾患である。しかし、これまで適切な歩行障害モデル動物が開発されていなかった為に充分な病態解明がなされていない。申請者らは、手術により脊髄を再開裂し、二分脊椎ヒヨコモデルを世界で初めて作成することに成功し、小型神経減少、運動神経発生遅延、感覚神経走行異常を報告した(Mominoki ら2006)。二分脊椎における脊髄内神経回路障害に関しては、解析が充分では無い。特に、ヒトにおいて、出産時にある程度残った運動機能が、出産後に急激に悪化することが臨床上重要であり、妊娠後期(出産の直前)に開裂部位を外科的に閉鎖する手術が多く試みられた(Meuliら1995,96)。しかし、病態はあまり改善しないことが明らかになってきており、出産時にはすでに脊髄内の神経回路に不可逆的な変化が起きていることが示唆された(Hiroseら2001, Sivalら2004)。
申請者は本モデルでの神経障害をまとめ、さらに出産後に運動機能が急激に悪化することを発見し、論文発表した。さらに申請者は、本モデルを用いて二光子顕微鏡の専門家とニワトリ脊髄の感覚神経線維の観察にも成功した。本研究では二光子顕微鏡を用いて、二分脊椎における異常な神経回路を立体的に解析し、本疾患の神経病態の全容を解明したい。本方法の成功により立体観察が容易になったので、病態解明、薬物作用機序解明、さらに薬物治療の効果判定等にも威力を発揮し、大きな貢献が見込まれる。特に、同時に行っている二分脊椎のプロサポシン合成ペプチドによる治療効果に関しても二光子顕微鏡を用いて観察し、データを蓄積しつつある。