2001年4月 - 2005年3月
放射線誘発大腸癌における遺伝子変異および素因に関する研究
文部科学省 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 13470263
- 体系的課題番号
- JP13470263
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 14,100,000円
- (直接経費)
- 14,100,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
1.生後10週目に2Gyの照射を受けたMlh1-/-マウスは有意に消化管腫瘍の発生が増加したが、生後2週目の照射群ではその効果は弱かった。Mlh1+/-マウスでは照射による影響は観察されなかった。同一の条件で照射を受けたMinマウスに発生した腸管腫瘍と同様に、Mlh1-/-マウスに生じた腫瘍でも高率にP53タンパクの過剰発現が認められた。これはヒト放射線誘発大腸癌と共通した病理学的特徴であった。
2.放射線治療による重篤な副作用の発生に関与する遺伝的要因を同定する目的で、大規模なSNPタイピングを行った。対象は放射線治療後の患者で、重篤な副作用が生じた患者19名と生じなかった患者31名である。放射線感受性に関連すると考えられる490遺伝子のゲノム領域に存在するSNP2,988個のジェノタイプをインベーダー法により決定した。次に重篤な副作用の有無に関する2群間でジェノタイプの頻度に差があるSNPの検索を行ったところ、19個のSNPが副作用の発生との相関を示した(p<0.01)。19個のSNPは14個の遺伝子上をカバーしていた。これら14個の遺伝子の領域についてハプロタイプブロック構造の決定と、ハプロタイプによる相関解析を行った。その結果、インターロイキン(IL)のレセプターに関連する遺伝子上のある特定のハプロタイプと副作用とが高い相関を示した(p<0.00001)。副作用を発症した患者群ではこのハプロタイプを持っている人の割合が少ないことから、このハプロタイプは放射線による副作用に対して防御的に働くものと考えられる。またこの遺伝子はILの応答性に関連する遺伝子であることから、このハプロタイプの有無によりILの応答性に差異が生じ、副作用出現の個人差につながっているものと考えられた。
(1.は放射線総合医学研究所低線量生体影響プロジェクト島田義也先生との共同研究である。)
2.放射線治療による重篤な副作用の発生に関与する遺伝的要因を同定する目的で、大規模なSNPタイピングを行った。対象は放射線治療後の患者で、重篤な副作用が生じた患者19名と生じなかった患者31名である。放射線感受性に関連すると考えられる490遺伝子のゲノム領域に存在するSNP2,988個のジェノタイプをインベーダー法により決定した。次に重篤な副作用の有無に関する2群間でジェノタイプの頻度に差があるSNPの検索を行ったところ、19個のSNPが副作用の発生との相関を示した(p<0.01)。19個のSNPは14個の遺伝子上をカバーしていた。これら14個の遺伝子の領域についてハプロタイプブロック構造の決定と、ハプロタイプによる相関解析を行った。その結果、インターロイキン(IL)のレセプターに関連する遺伝子上のある特定のハプロタイプと副作用とが高い相関を示した(p<0.00001)。副作用を発症した患者群ではこのハプロタイプを持っている人の割合が少ないことから、このハプロタイプは放射線による副作用に対して防御的に働くものと考えられる。またこの遺伝子はILの応答性に関連する遺伝子であることから、このハプロタイプの有無によりILの応答性に差異が生じ、副作用出現の個人差につながっているものと考えられた。
(1.は放射線総合医学研究所低線量生体影響プロジェクト島田義也先生との共同研究である。)
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- ID情報
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- 課題番号 : 13470263
- 体系的課題番号 : JP13470263