共同研究・競争的資金等の研究課題

1989年 - 1989年

Friend白血病ウイルスに対する感受性を支配するマウス遺伝子の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 がん特別研究  がん特別研究

課題番号
01015016
体系的課題番号
JP01015016
配分額
(総額)
2,800,000円
(直接経費)
2,800,000円

本研究の目的は、フレンドウイルスがマウスに急性の白血病をおこすのに必要なFvー2遺伝子の解明にある。直接的にこのマウス遺伝子をクローニングする方法論が確立されていないので、次のような実験を行った。
1.発症したマウスの脾およびウイルス感染により樹立された細胞株からcDNAライブラリーを作り、種々のプローブを用いて、これら細胞内で発現の増加している遺伝子を探した。このような遺伝子のなかには、Fvー2など発症に関与するものが含まれていると考えたからである。数ケが得られたが、そのなかに、Tリンパ球系の発生に重要とされるCD43sialophorin遺伝子と同一もしくは近縁のものがあり、解析を進めている。
2.マウス第9染色体におけるFvー2遺伝子のおゝよその位置はわかっているが、その近辺の分子生物学的解析は行われていない。種々のプローブを用いてRFLP解析を行ったところ、G蛋白のGNAI2遺伝子のプローブによって、Fvー2congenicマウス間にRFLPが見出され、Fvー2との連鎖が確認された。なおこの研究の副産物として、マウスのbetaーT_3受容体およびalpha_1ーT_3受容体のクローンが得られ、さらに毛色突然変異に対応するかも知れない特異的DNAバンドが見つかった。
3.ウイルス側の要因として、発症に関与するウイルス被膜糖蛋白であるgp55の解析を行った。gp55は感染細胞においてホモオリゴマーとして存在すること、gp55遺伝子をエリスロポエチン依存性細胞株に導入すると非依存性に増殖するようになった。
以上、Fvー2遺伝子の解明という目的からすれば、周辺をめぐっているわけであるが、それなりの知見は得られたと考える。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-01015016
ID情報
  • 課題番号 : 01015016
  • 体系的課題番号 : JP01015016