MISC

2021年11月

都道府県単位の平均寿命別にみた国民健康・栄養調査結果における生活習慣等の推移

日本循環器病予防学会誌
  • 西 信雄
  • 北岡 かおり
  • 岡見 雪子
  • 近藤 慶子
  • 佐田 みずき
  • 門田 文
  • 中村 美詠子
  • 尾島 俊之
  • 岡村 智教
  • 由田 克士
  • 三浦 克之
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56
3
開始ページ
258
終了ページ
264
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本循環器病予防学会

【目的】都道府県別の平均寿命の格差について、その要因を断面で検討した研究はいくつかあるが、経年的に平均寿命と生活習慣等との関連を検討した研究は見当たらない。本研究は、日本国民を代表する標本による国民健康・栄養調査(国民栄養調査)の約20年間のデータ推移分析により、国民の生活習慣病リスク要因の変化を生態学的研究により明らかにすることを目的とした。【方法】国民健康・栄養調査(国民栄養調査)の1995-2016年の結果について、1995-1997年(1期)、1999-2001年(2期)、2003-2005年(3期)、2007-2009年(4期)、2012年(5期)、2016年(6期)の14年分を分析対象とした。2000年の平均寿命別に都道府県を4群に分類し、body mass index(BMI)、腹囲、歩数、現在習慣的に喫煙している者の割合、現在飲酒者の割合、現在飲酒者における1日あたり平均飲酒量の推移を比較した。これらの数値または割合の比較においては、平均寿命別の4群の平均値の高低について、平均寿命をさらに延伸させると想定される場合を健康増進性が高いとした。分析対象は40歳から69歳とし、2010年の10歳階級別人口に基づき年齢調整した値について、年次推移に関する6期(腹囲と飲酒に関する調査項目については4期)と平均寿命による4群をもとに二元配置分散分析を行った。【結果】男性のBMI、腹囲、歩数、現在飲酒者における1日あたり平均飲酒量と女性の現在習慣的に喫煙している者の割合において平均寿命別の有意差がみられ、いずれも平均寿命が高い群で健康増進性が高い(または平均寿命が低い群で健康増進性が低い)数値または割合を示した。これらの調査項目については期別でも有意差がみられ、経年的な変化にもかかわらず平均寿命と関連する可能性が示された。【結論】国民健康・栄養調査の約20年間のデータをもとに都道府県単位の平均寿命別に生活習慣等の推移を生態学的研究により検討したところ、男性のBMIや腹囲等、女性の現在習慣的に喫煙している者の割合において有意差がみられた。都道府県別の平均寿命の格差を縮小するためには、特に平均寿命が比較的短い都道府県において生活習慣等を地域レベルで改善することが重点的課題であると考えられた。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 1346-6267
  • 医中誌Web ID : 2022056309

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