MISC

2010年6月

高カルシウム血症を呈した褐色細胞腫の小児例

小児高血圧研究会誌
  • 佐々木 直
  • ,
  • 長崎 啓祐
  • ,
  • 小川 洋平
  • ,
  • 菊池 透
  • ,
  • 内山 聖

7
1
開始ページ
56
終了ページ
58
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本小児高血圧研究会

12歳男児。患者は発熱、上腹部痛、嘔吐を主訴に、近医にて右副腎腫瘤、高血圧、高Ca血症が指摘され、精査加療目的に著者らの施設へ転院となった。入院時、意識は清明であったが、全身に著明な発汗がみられ、尿中ノルアドレナリン、ノルメタネフリンの上昇が認められた。更に腹部CTでは右副腎に3cm大の腫瘤が確認され、腹部MRIでは腫瘤はT1にて低信号、T2にて高信号を呈しており、131I-MIBGシンチでは右上腹部に集積像が認められた。以上より、本症例は褐色細胞腫および腫瘍からのPTHrP産生による高Ca血症と診断され、高血圧に対してはα遮断薬による治療が行なわれ、高Ca血症については大量輸液とループ利尿薬による治療が行なわれた。だが、コントロール不良で、pamidronate静注にて血清Caは正常化した。その後、腹腔鏡下右副腎腫瘍摘出術が施行されたが、病理組織学的には褐色細胞腫で、腫瘍によるPTHrPの産生が確認された。尚、術後は血圧、血清Ca値は正常化し、PTHrP値も感度以下となった。

ID情報
  • ISSN : 1344-0217
  • 医中誌Web ID : 2010311261

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